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メダカと過ごす一日 medakalove.exblog.jp

大阪在住主婦の、のんびりメダカ飼育と着物を楽しむ日記です      


by Medalog

雨の京都

東京の着物友だちが京都へ来るということで、お誘いいただき久しぶりにお会いした。

午後に待ち合わせ。午前中の用事で訪問着を着ていたお友達の姿をじっくり拝見する。訪問着を持っていない私には憧れの姿で、うっとり…。やわらかものならではの着物の良さって、やっぱりあるのよねえ。
しかし雨なのでお友達は洋服へ着替えて、一衣舎さんの京都展示会へ。私は一衣舎さんの品は梅田大丸の「風水土のしつらい展」で少し見たことがあるだけで、展示会は初めて。ワクワクしながらお友達に付いていった。

中に入ると素敵な反物がたくさん!うわ〜い。ずらりと並ぶ草木染めの着尺は、これ以上ないほどの優しさに溢れている。ふわりと温かく、力強く、色柄は繊細で。見ているだけで幸せ。ハァ〜。身にまとったらもっと幸せだろうけど、それはもう少し先の話かなあ…。

私は本当に不勉強で、一衣舎さんの「洗える絹」シリーズも会場で初めて知った次第。今まで正絹の長襦袢を2枚仕立てたものの、普段着用なのにそこそこの悉皆代が掛かることに少々モヤッとしている私。今後長襦袢を増やすなら、シルックにするか正絹の反物を水通しして仕立ててもらうか…などと考えていたので、一衣舎さんの「洗える絹」には興味深々。いつかご縁があったらいいなあと妄想するのだった。


雨の京都_d0048332_12254059.gif会場を出て駅へ向かう途中、てぬぐいのRAAKに道草をして、がま口財布をゲット。

最近、洒落にならないほど肩こりがひどいので、着物で出掛けるときは出来るだけ荷物を軽くしたい。財布も軽くて小さいもの、二つ折りのお札と小銭少々・カードが1枚ぐらい入るものをずっと探していたので、まさにピッタリサイズ!

お友達の「汚れが目立たない色がいいわよ」というアドバイスもあり、椅子柄を選ぶ。いい思い出の品になりました。

その後は夕食を取りながらおしゃべり。あっという間に楽しい時間は過ぎ、名残惜しくもお別れした。またいつか、お会いできますように。ありがとうございました。



きもの着用、今年37回目。
まずい、10月中に40回の目標を大きく下回ってる…今月は出来るだけたくさん着よう。

雨の京都_d0048332_12255242.gif雨の予報だったので着物か洋服か迷いつつ、雨コートと雨草履のデビューも兼ねてグレー紬。

つるっとしていて雨でもシミになりにくそうなので選んだ…と言いたいところだが、袷で雨コートに合わせられる裄丈の着物はこのグレー紬か結城紬しかなく、結城を着るにはまだ気温が高いので、このグレー紬しか選択肢がない状態だった。着物の裄がバラバラだと、いろいろなところに支障がでるなあ。

前回の反省をふまえ半衿を細めに出し、おはしょりがスッキリ決まるように気を付けた。

一衣舎さんに行くということで、私の中では一張羅の染め生紬帯に、きねやさんの小物というお出掛けコーディネイト(のつもり)。秋らしい色使いではなかったな…。

透け感の少ない我がシースルーコートとグレー紬は、気温24℃では少々暑い(紬だけでも、歩くと汗ばむほどだった)。夕方になり風が冷たくなってくると、程よい着心地に。
これは、春夏秋のスリーシーズン用といっても実際に6〜9月に着るのは暑そうだなぁ(涙)。少しだけど透け感があるから真冬には着ないほうが良さそうだし、実際には10〜11月、3〜5月あたりに着ることになるのかな。


雨の京都_d0048332_13333923.gif雨草履は履き心地もまずまずだが、鼻緒が細いうえにやや固く、たくさん歩いたら少し足が痛くなった。そのうち鼻緒が馴染んでくれるかな。

爪革の透明ドームが付いていないのだが、雨が強くても足袋カバーがあれば問題ないと分かった。

とにかく、草履が雨で傷むことを心配しなくて済むのはとても嬉しい。私には雨下駄を履きこなすのは難しいので、この雨草履は買ってよかった一品になりそう。
# by Medalog | 2009-11-02 12:36 | きもの | Comments(4)

秋の奈良

お友だちと正倉院展を見てきた。

お宝の数々は毎度のことながら素晴らしく、人混みの中をガラスに額を付けんばかりに近づいてじっくり眺めてきた。
しかしお宝そのものはもちろんだが、これらのものが今でも残っていること・丁寧に復元されキッチリと保存されていることの素晴らしさのほうに、より感動するようになった今日このごろ。年のせいかしら。

朝9時半ごろに入場したが待ち時間はゼロ。11時ごろには30分待ちになっていたようだ。場内も人は多いけれど展示物に近づけないということはなく、空いている展示物から見ていけばスムーズに回れる状態だった。
正倉院展のあとに興福寺の阿修羅展を見ようと立ち寄ってみたら、そちらも行列が。あっさり諦めてランチの店を探しに行ってしまった私たち…。どちらの展示も頑張って朝一番に出掛けるか、遅めの午後に行ってみたほうがゆっくり見られるかも。(週末は終日混雑でしょうが)


ランチは奈良町の「あしびの郷」という店。奈良漬の老舗あしびや本舗がプロデュースしているそうだ。
室内テーブル席の他に畳座敷、蔵座敷、外にもテーブル席がある。(畳座敷と蔵座敷は案内してもらえなくて残念。混んでいたのか、面倒くさかったのか)ずいぶん広いなと思ったが、帰宅後に検索してみたら結婚披露宴まで請け負っているそうだ。

秋の奈良_d0048332_12589.gif写真は「おつけもの御膳」。
この他にご飯のおかわりと番茶がついていて、お茶漬けでもいただけるというもの。

お漬物はどれも美味しい。奈良漬はとても濃厚で、奈良漬けが好きな人にはたまらない味だと思う(私はあまり得意ではないのだけど)。お漬物がメインだと物足りないかと思ったが、他のおかずもあるのでとても満足。


秋の奈良_d0048332_1251820.gif帰りに店頭で、一番気に入ったお漬物をお土産に買ってきた。

「しそ巻らっきょ」

シソの風味がらっきょの酸味をまろやかに和らげ、らっきょの甘酢がシソの葉にたっぷり染み込んで…

これは美味しい!らっきょ好きには堪らない味。奈良に行く度に買いたくなるかも。


あとは気ままに歩いて奈良の町並みや自然を楽しみ、きもの関係の店があるとついつい立ち寄ってしまったり。天気もよく風は程よく冷たく、最高の気分で散策できた。

秋の奈良_d0048332_1252978.gifお茶の時間には、万歩計は12000歩を軽く越えていた。誰かとおしゃべりしながら歩くと、いつもは辛い一万歩もあっという間だなあ。

帰宅後には15000歩を越えていたが特に疲れた感じもなく、逆に体が活性化して軽くなった気がするほど。(ただし翌日は太ももがちょっと筋肉痛)



気候が良くて天気にも恵まれた日に、誰かと一緒に楽しく出掛けられる機会って、ありそうで実際はなかなかないものだ。「今日は天気がいいから出掛けよう!」と思っても急には人を誘えないし、せっかく会う約束をしていても当日は天気が悪かったり…
またこんなラッキーなお出掛けができるといいなー。
# by Medalog | 2009-10-28 12:14 | 生活 | Comments(4)

大阪歴史博物館

前回の記事、グレー紬の着物で出掛けたのは、大阪歴史博物館。
開催中の特別展、「伊勢神宮と神々の美術」を見てきた。
三重県に住んでいたころ、伊勢神宮には幾度となくお参りしたのに神宮所蔵の美術品については考えたこともなかったので、ぜひ見たかったのだ。


大阪歴史博物館_d0048332_9173368.jpg大阪城公園の隣に建つ、綺麗な曲線を見せるこの建物。どこかの企業のビルかと思っていたのだが、ここが博物館だったとは!

真新しく近代的なビルの前に、古墳時代の高床式倉庫がもっさりと建っている様がちぐはぐで可笑しい。

中に入ってみると、エントランスの床の一部がガラス張りになっていて、地下に保存してある古代遺跡を見下ろせるのが面白い。

ビルの地下には飛鳥時代の宮殿の遺跡が保存されていて、当日申し込みで見学も出来るのだそうだ。見たい…


この日のお目当ては伊勢神宮展だったが、せっかくなので常設展も見ることにした。常設展示は10階〜7階。エレベーターで10階に上がり、フロアごとにテーマが決められた展示を見ながら降りていく。小学生の社会科見学を意識して作られているのか、各フロアの半分近くを使って奈良時代・難波宮大極殿や大正〜昭和初期の町のにぎわいを原寸大で復元したりしている。残り半分が所蔵品の展示などのスペースという感じ。

ずいぶん贅沢な空間の使い方で、これでいいのか?もっと展示物を増やしたら?という気もしたけれど、社会科見学の子供たちにはこのほうが印象的でいいのかも。それに大人の私にもインパクトがある展示方法があったりして、なかなか楽しめた。奈良時代から現代までの大阪の歴史を、疲れずコンパクトに見られた感じ。

それになにより10階からの眺めがすごく良い。9階に下りるエスカレーター前の窓からは左に大阪城、右下に難波宮跡が広く見下ろせて当時はどんな感じだったのかしら…なんて思いながらいつまでも眺めていられる。(それぞれは全く別の時代のものだけれど)

伊勢神宮展に行かれる予定でまだ常設展示を見たことがないという方は、一度は常設展(と10階からの眺め)もご覧になったらいいのではないかな、とお薦めします。



さて、肝心の伊勢神宮展。
神宮所蔵の品以外にも各地から神宮にゆかりのあるものがたくさん集められている。別フロアにはお伊勢参りの資料も展示されていて、そちらも合わせるとなかなか見応えのある展示内容だった。

私が一番驚いたのは、式年遷宮というのは社殿や宇治橋を作り替えるだけではなく、装束や神宝も作り替えられていくということだ。太刀や弓矢、衣に靴、鏡などさまざまなものが、20年ごとに作り伝えられているのだそうだ。
中でもすごいのは、ミニチュアの機織り機。40cmほど(多分)の小さい高機が精巧に再現され、なんと糸まで渡して織られた状態でその技術の前にはため息しか出ない。

これらの技術は、古いものを保存しているだけでは後世に伝わっていかないものだろう。式年遷宮は20年に一度のことだが、社殿から宝物まで全ての準備期間を含めたら実際は常に動いている状態なんだろうな。それが現代まで続いていることの貴重さを噛み締めると共に、「どれだけお金が掛かってんだろう…」という素朴かつ下世話な疑問が胸をよぎるのだった。
# by medalog | 2009-10-25 10:43 | 生活 | Comments(4)