2018年 05月 11日
胴裏がちぎれそう…
茶道教室へ。
胴抜き仕立ての市松紬に、博多八寸帯。
義母の古い着物でよく見ると小さなシミがあちこちに飛んでいるのだが、胴抜きの着物はこの一枚しかないのと、つるっとしていて雨にも強いので5月・10月ごろに重宝している。
だがその市松紬が、帰宅して脱いでみたらお尻や腰のあたりの胴裏地が裂け始めていてびっくり。
これはあと数回で完全にちぎれるな…
それにしても、お下がりで糸が弱っている着物のお尻部分の縫い目が裂けたことはあるが、この着物は洗い張りして仕立て直したのに胴裏地が裂けたのはなぜだろう?
この着物よりも数多く着ている着物は大丈夫なのに…
疑問に思ってこのブログの過去記事をさかのぼってみたら、8年前にこの着物を仕立て直したときの記事があった。
読み返して思い出したのだが、義母のタンスにあったこの市松紬はカビやシミ汚れがあまりにも多いので洗い張り店の人に「よほど大切なお着物でなければ、このまま諦めたほうが…」とまで言われたのを、諦めきれずに洗い張りして仕立て直したものだった。
そして、使用した胴裏は新品ではなかった!
表地自体が傷んでいるので、胴裏も古い着物に付いていた胴裏の中から使えそうな部分を再利用したことを過去の記事を読んで思い出した。
胴抜き仕立ては使用する胴裏の長さが半端なので、新品を使うと残り布も半端になるのが嫌だったようだ。
なるほど、古い胴裏だったから糸でなく生地そのものが裂けてしまったのね…
当時は賢いやりくりだと悦に入っていたが、いざ裂けてしまうと「せっかく仕立て直すなら新品を使っておけばもっと長持ちしたのに…」なんて思ってしまう。現に、八掛は新品を使用したのでまだ全く傷んでいないのだ。
他の部分が傷んでいないので、胴裏だけを仕立て直しに出すのは勿体ない。
弱った部分が完全に裂ける前に自分でなんらかの補強をして、あと数年でも延命させなくては。
そしてその後はどうしましょう。
水に強い布地なので単衣にしてしまえば自宅で洗える着物になるかしら。寸法が足りるならコートにしてもいいが、シミがあるから上着には向かないかなあ?補強するときに採寸しなおしてみよう。
この市松紬は水に強いし汚れが目立たないので茶道のお稽古着に最適かと思いきや、いざお稽古で着てみると難があった。
道具を持ち両手がふさがった状態で正座しようとすると、大島紬以上にハリのある生地なので裾の上前が膝の下に納まってくれずにパーンと膝の前に飛び出てしまうのだ。
稽古着は自然と着物の裾が膝の下に納まってくれる程度のやわらかさでないと、座ることそのものに余計な神経を使うことになるのが勿体ない。
紬であっても袷の十日町紬やグレーの紬は問題がなくこの市松紬だけがダメなので、今後お稽古にはできるだけ着ないようにしたい。
お稽古にも街着にもできるようなやわらかめの紬か小紋、胴抜きで一枚作りたいなあ。これは無駄遣いではない!…はず(笑)
by Medalog
| 2018-05-11 08:56
| きもの
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