2018年 03月 27日
木綿の春色帯
先日足を採寸してもらって購入した足袋で、中之島 香雪美術館へ出かけた。
帯は、少し前に買ったのだが五十肩などで締める機会がなかった、木綿の春色の名古屋帯。
綿70%合繊30%の伸びる足袋は、一度洗って水を通したら少し縮んで足ピッタリの大きさになったので、歩く間に痛くならないかと心配しながら出かけた。
中之島 香雪美術館は京阪電車の渡辺橋駅直結なのとあまり広さもないので、以前足の爪が紫になった京都の美術館の時よりは少ない歩数だったが、足が痛くなる気配はなくいくらでも歩ける感じだった。
むしろ合繊でやわらかいだけの足袋よりも、多少ホールド感がある方が歩いていて疲れないかも。
見た目はキャラコ製のようにしっかりすっきりしているし、履き心地もいいし、町歩きには十分に良さそうでよかった。
ただ帰宅後に足袋を履いたまましばらく正座していたら、足の親指と人差し指の間に足袋が食い込んでちょっと痛い。
あれ?試着時には全然痛くなかったのになんでだろう?
でも、普段23.5〜24cmの靴を履く私がこの足袋は24.5cmを選んだので、少々指の間に食い込んだとしてもこれ以上大きい25cmの足袋はさすがに買う気がしない。
4月からの茶道のお稽古にも履いていこうと思っていたけれど、迷いが出てきた〜。
着物は、この半年間お稽古で着倒した感のあるグレー紬。
春らしくないので帯のテイストと少し合わないし、たまにはお稽古と違う着物を着たかったのだが、半衿のついた襦袢がこの着物に合う裄のものしかなかったので仕方なく…
いつも地味な着物と帯ばかりの私が「これからは明るい色のものを買う!」と決意して買った、私にしては綺麗な色合いのものだ。
確か購入時にはすでに五十肩で二部式帯や作り帯しか使えず、その後は軽くて滑りの良い八寸帯、普通の名古屋帯と進んで今年の年明けには袋帯もなんとか締められるまでに回復。
図柄は抽象柄なので色合いで春の帯と決めたこの帯を、ようやく今回使うことができて嬉しかった。
が、落とし穴があった!
前帯の柄が片面のみで反対側は辛子色の無地だということを、購入時にはわかっていたのだろうがその後すっかり忘れていて、いざ締める段になって気付いた。
しかも柄のある方が、普段私が着付けをするときとは逆の、時計回りに巻いたときに出るようになっているのだ。
時計回りも反時計回りも手順は同じなので、五十肩になる前はどちらでも結べた。
でも今は五十肩の後遺症で右手が背中に回りづらく、時計回りだと思うように力が入れられない。
しかもこの帯は木綿で滑りが非常に悪く、体に巻いた帯を引き締めるのに他の帯以上に力が要る。
この日は前帯の柄が空白の部分が真ん中に来てしまったので少し横にずらしたかったのに、今の私では調整もできない。
締めながら「この帯は私には無理!自分でカットして二部式帯にしてやる!」と悪態をつく。
二部式にすれば巻く方向がどちらでも関係ないし、日によって黄色い花と赤い花の好きな方を簡単にメインに持ってこられる。
滑りが悪い素材で強く巻き付けられなくても、お太鼓が別に独立しているので前帯が緩んだり落ちてくる心配もない。
頭の中ではすっかり二部式にするつもりでいたのだが、帰宅して脱いだ帯を広げてみると、まだほとんど使っていないこの帯を切ってしまうのは少々かわいそうに思える。
そこで、発想を転換。
この帯を苦手な時計回りに巻いて着付けをしていたら、動かしづらい右腕が徐々に動くようになるんじゃないだろうか。
五十肩になってから帯を締めるのには本当に苦労したが、着物が着たい一心で動かない腕を無理やり動かして、それがリハビリになった部分は結構大きいと思うのだ。
現在動かしづらい「右腕を後ろに回して力を入れる」行為は、今までの反時計回りの帯結びにはあまりない動きだったわけで、この帯を時計回りに結ぶことで右腕・右肩が柔らかくなれば五十肩の後遺症はほぼ解消する。
そのチャンスをくれる帯だと思って、この春はこの春色帯を何度か締めてみようと決めた。
そのためにも半衿を付けないと。
バイアス半衿や三河芯を試したいがなかなか買いにいけないので、普通の半衿でできるだけすっきりなるように縫い付けてみよう。
半衿、面倒ですよねえ…
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at 2018-03-27 23:59
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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Medalog at 2018-03-28 10:39
> amethystさん
私はどんな帯でもなんとか合うようにと無地系の着物ばかり集めてしまうので自分の着姿がつまらないと思っているのですが、アートなどと言っていただけると無地着物も悪くないかな、と単純に嬉しくなってしまいます。
前帯は、数年前と比べると確実に引き締めにくくなりました!だから細い三分紐を使うのが怖くて帯留もなかなか楽しめなくなり残念…。でも諦めずに治していきたいです。
二部式帯は、何本かあると心強くていいですよね。十年以上前になんとなく自作したバティック柄の二部式帯に、この2年間どれだけ助けられたことか…
私はどんな帯でもなんとか合うようにと無地系の着物ばかり集めてしまうので自分の着姿がつまらないと思っているのですが、アートなどと言っていただけると無地着物も悪くないかな、と単純に嬉しくなってしまいます。
前帯は、数年前と比べると確実に引き締めにくくなりました!だから細い三分紐を使うのが怖くて帯留もなかなか楽しめなくなり残念…。でも諦めずに治していきたいです。
二部式帯は、何本かあると心強くていいですよね。十年以上前になんとなく自作したバティック柄の二部式帯に、この2年間どれだけ助けられたことか…
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神奈川絵美
at 2018-04-02 11:52
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こんにちは! グレーの色合いも明るく、帯はいうまでもなく春色。軽快な装いに見ているこちらも明るい気持ちになります。
いつもとは逆手とのことですが、きれいに結べていますね!
足袋・・・うろ覚えですが、素足の指の間に挟む薄いクッションのようなものがあったような・・・。動くと前に重心がかかるので、いたみが出やすいのですよね。
いつもとは逆手とのことですが、きれいに結べていますね!
足袋・・・うろ覚えですが、素足の指の間に挟む薄いクッションのようなものがあったような・・・。動くと前に重心がかかるので、いたみが出やすいのですよね。
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Medalog at 2018-04-02 17:02
> 神奈川絵美さん
この日はお太鼓がうまく整えられずに羽織で隠しました。
帯の素材が、滑りにくいうえに布目をピシっと伸ばしづらいみたいなのでこれからも締めるのに苦労しそうなんですが、春色の帯は私には貴重なのでなんとか使いこなしたいです。
足袋での正座、たくさん歩いた後だと痛くなりやすいんですね。わかる気がします。店での試着時は洋服に靴下で指の間に重心が掛かっていなかったから、正座しても楽だったのかな。
指の間に挟むクッションですか!やはりみなさん正座には苦労しているんですね。お稽古を始めてみて指の間が痛むようなら、クッションか脱脂綿を挟んでみますね。
この日はお太鼓がうまく整えられずに羽織で隠しました。
帯の素材が、滑りにくいうえに布目をピシっと伸ばしづらいみたいなのでこれからも締めるのに苦労しそうなんですが、春色の帯は私には貴重なのでなんとか使いこなしたいです。
足袋での正座、たくさん歩いた後だと痛くなりやすいんですね。わかる気がします。店での試着時は洋服に靴下で指の間に重心が掛かっていなかったから、正座しても楽だったのかな。
指の間に挟むクッションですか!やはりみなさん正座には苦労しているんですね。お稽古を始めてみて指の間が痛むようなら、クッションか脱脂綿を挟んでみますね。
by Medalog
| 2018-03-27 14:30
| きもの
|
Comments(4)