七月大歌舞伎 関西・歌舞伎を愛する会 結成三十周年記念

「関西・歌舞伎を愛する会」というのは、関西で歌舞伎を広めていこうという趣旨のボランティア団体で、歌舞伎関係者以外にも多くの分野の方々が参加されているのだそうだ。
今まで知らなかったのだが、この会が結成された30年前には関西では歌舞伎公演がほとんど行われず将来が危ぶまれる状況だったそうで、お客さんに歌舞伎の見方を教えるところから活動が始まったとのこと。
私など「大阪に引っ越してきたから歌舞伎もたくさん見られるわ」なんて思っていたのだが、関西で年に何回も歌舞伎が上演される今の状況は、この会の方々が30年間活動を続けてこられたからこそなのかもしれない。



その結成三十周年記念公演。場所は大阪松竹座。
昼の部と夜の部、どちらへ行くべきか迷う。
主婦としては昼間の方が家を空けやすいのだが、昼の部の「妹背山婦女庭訓」は最近文楽で見たばかりなのと、夜の演目に興味があったので、夜の部を見ることにした。

夜の部の演目は
・ 双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
・ 弥栄芝居賑(いやさかえしばいのにぎわい)
・ 竜馬がゆく・・・の3本。

覚え書きとして稚拙な感想を…

・ 双蝶々曲輪日記
相撲の関取・濡髪長五郎が、自分を贔屓にしてくれるタニマチ・与五郎と遊女・吾妻の恋路を守るために人を殺めてしまう話。
濡髪長五郎と与五郎・吾妻を始め、兄弟の契りを結んだ関取・放駒長吉とその姉、幼いころに生き別れた母、母の義理の息子である与兵衛と妻の都、それぞれの人間模様が絡む、まさに江戸時代の歌舞伎で好まれたという情愛と義理の物語。「引窓」の段が真骨頂。
中村翫雀演じる放駒長吉の衣装がとても可愛くてお気に入り。乱暴もするが根は単純・素直という性格を表すように色柄がPOPで、関取ということでまんまるな体で着ているので余計に可愛く見えるのだと思うが、許されるなら写真を撮りたかったぐらいだ。(主役の濡髪長五郎は、当時関取の最高位だった大関なので、品位の高い黒紋付姿。その対比も面白い)
ちなみに「双蝶々曲輪日記」というタイトルは、濡髪長五郎と放駒長吉の名にある「長」が2人で長長=蝶々なのと、遊女の吾妻と都が居る場所である郭=曲輪なのだそうだ。

・ 弥栄芝居賑
幹部役者達が、芝居小屋に集まり芝居の盛況を祝う客などに扮して、関西・歌舞伎を愛する会の結成三十周年を祝うというもので、役者の皆さんの生の声(台詞ではない挨拶)を聞くことができる。今回私が夜の部を見ることにしたのは、これを見たかったから。
襲名披露の時などに演じられるそうだが、機会はあまり多くないそうなので、今回見ることができてよかった。

・ 竜馬がゆく 風雲篇
言わずと知れた内容だが、意外だったのは台詞が歌舞伎特有の節回しではなく、ほぼ現代に近くて(土佐弁あり,薩摩弁あり)テレビで見る時代劇と同じような聞きやすさだったこと。
照明など舞台効果も他の演目とはがらりと変わっているし、激しい立ち回りのシーンから笑いのシーンまで、サービズ満点。歌舞伎というより染五郎主演の演劇を見たようで、ちょっと不思議だったが、これまた見ることができてお得な感じ。



歌舞伎の普及と繁栄が目的の会が主催ということで、このようにバリエーション豊富な構成なのだろうか。なんだかお得なセットメニューの料理をお腹いっぱい堪能した感じ。

歌舞伎を見たいけどなかなか機会がなくて…という関西在住の方がいらしたら、ぜひこの機会に一度ご覧になったらいかがでしょう。
市川染五郎、市川春猿、片岡仁左衛門など歌舞伎に詳しくない私でも知っている役者の方々が出演されているので、取っ付きやすい部分もあるし、5時間丸々歌舞伎の演目よりも見やすいと思う。幕見席もあるそうですよ〜。
[PR]
by Medalog | 2010-07-09 09:13 | 生活 | Comments(0)

大阪在住主婦の、のんびりメダカ飼育と着物を楽しむ日記です      


by Medalog