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大阪歴史博物館

前回の記事、グレー紬の着物で出掛けたのは、大阪歴史博物館。
開催中の特別展、「伊勢神宮と神々の美術」を見てきた。
三重県に住んでいたころ、伊勢神宮には幾度となくお参りしたのに神宮所蔵の美術品については考えたこともなかったので、ぜひ見たかったのだ。


d0048332_9173368.jpg大阪城公園の隣に建つ、綺麗な曲線を見せるこの建物。どこかの企業のビルかと思っていたのだが、ここが博物館だったとは!

真新しく近代的なビルの前に、古墳時代の高床式倉庫がもっさりと建っている様がちぐはぐで可笑しい。

中に入ってみると、エントランスの床の一部がガラス張りになっていて、地下に保存してある古代遺跡を見下ろせるのが面白い。

ビルの地下には飛鳥時代の宮殿の遺跡が保存されていて、当日申し込みで見学も出来るのだそうだ。見たい…


この日のお目当ては伊勢神宮展だったが、せっかくなので常設展も見ることにした。常設展示は10階〜7階。エレベーターで10階に上がり、フロアごとにテーマが決められた展示を見ながら降りていく。小学生の社会科見学を意識して作られているのか、各フロアの半分近くを使って奈良時代・難波宮大極殿や大正〜昭和初期の町のにぎわいを原寸大で復元したりしている。残り半分が所蔵品の展示などのスペースという感じ。

ずいぶん贅沢な空間の使い方で、これでいいのか?もっと展示物を増やしたら?という気もしたけれど、社会科見学の子供たちにはこのほうが印象的でいいのかも。それに大人の私にもインパクトがある展示方法があったりして、なかなか楽しめた。奈良時代から現代までの大阪の歴史を、疲れずコンパクトに見られた感じ。

それになにより10階からの眺めがすごく良い。9階に下りるエスカレーター前の窓からは左に大阪城、右下に難波宮跡が広く見下ろせて当時はどんな感じだったのかしら…なんて思いながらいつまでも眺めていられる。(それぞれは全く別の時代のものだけれど)

伊勢神宮展に行かれる予定でまだ常設展示を見たことがないという方は、一度は常設展(と10階からの眺め)もご覧になったらいいのではないかな、とお薦めします。



さて、肝心の伊勢神宮展。
神宮所蔵の品以外にも各地から神宮にゆかりのあるものがたくさん集められている。別フロアにはお伊勢参りの資料も展示されていて、そちらも合わせるとなかなか見応えのある展示内容だった。

私が一番驚いたのは、式年遷宮というのは社殿や宇治橋を作り替えるだけではなく、装束や神宝も作り替えられていくということだ。太刀や弓矢、衣に靴、鏡などさまざまなものが、20年ごとに作り伝えられているのだそうだ。
中でもすごいのは、ミニチュアの機織り機。40cmほど(多分)の小さい高機が精巧に再現され、なんと糸まで渡して織られた状態でその技術の前にはため息しか出ない。

これらの技術は、古いものを保存しているだけでは後世に伝わっていかないものだろう。式年遷宮は20年に一度のことだが、社殿から宝物まで全ての準備期間を含めたら実際は常に動いている状態なんだろうな。それが現代まで続いていることの貴重さを噛み締めると共に、「どれだけお金が掛かってんだろう…」という素朴かつ下世話な疑問が胸をよぎるのだった。
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by medalog | 2009-10-25 10:43 | 生活 | Comments(4)

舞台「だんだん」

NHKの朝ドラだった「だんだん」の舞台を見てきた。

私が今までで唯一見た朝ドラが、この「だんだん」だった。
子どもの頃からOL時代まで、朝ドラが始まる前に家を出ていたので見たことがなかったし、環境が変わってその時間に家に居るようになっても、見ようという発想にならなかった。でも「だんだん」は「マナカナが2度目の朝ドラヒロイン!」ということでちょっとニュースになり、そこで舞台が松江と京都、ヒロインが舞妓ということを知り、これは是非見なくっちゃ!という気になったのだった。

実際始まってみると結構トンデモ脚本というか、登場人物・特にヒロインめぐみの考え方に共感できずにいらっとしつつも、京都編の着物を見るのを楽しみに最後まで見てしまった。(マナもめぐみを演じるのが辛いんじゃないかと感じたなー)
で、次以降の朝ドラはまた見なくなっていたのだが。

せっかく大阪に来たのにコンサートとか行ってないし、漫才でも落語でもいいからなにか見に行きたいな〜とチケットぴあのHPを見ていたら、だんだんが舞台になることを知り、なんだか無性に見たくなったので、チケットを取ってしまった。
初の松竹座にドキドキしつつ、演目が歌舞伎じゃないから着物で臆することもないわと着物を着て出掛けた。

d0048332_9324550.gifきもの着用、今年34回目。

十日町紬に、カトレア柄の名古屋帯。この帯は重たいのが難だが、観劇なら座っているだけなので問題なし。厚みがある分お太鼓もしっかり作れるので、寄りかかっても崩れないので楽だった。

観劇に着物を着るときのコツとして、上前幅をやや多めに取ると長時間座っていても着崩れしないということをどこかで読んだので試してみたら、本当に裾がはだけなくて良かった。

写真は帰宅後に撮ったので、腰から下がシワシワ…後ろ姿も同じ。座るのに慣れている人は、長時間の観劇でもこんなにシワが寄らないんだろうな。そもそも観劇にはシワになりにくい着物を選べばいいのか。

おはしょりがすっきりびしっと決まらなくて残念。なかなかうまくいかないなあ。




舞台の感想というか雑記。多少ネタバレあり?

松江を中心に、芝居向けにテンポよく作られたストーリーだった。ただ京都の場面がほとんどなく、花むらの女将・藤村志保さんが出ていないのが寂しかった。お着物姿が見れたら嬉しかったのにな〜。

双子の父親・忠が結構クローズアップされていて、めぐみ・のぞみ・忠のトリプル主役と言ってもいいような。(しかし生で見る吉田栄作、カッコイイー。足長いー。顔小さいー。)
忠はドラマでは寡黙だったが、舞台では台詞も多いしコメディ演出もあるのでドラマと舞台で一番ギャップがある登場人物かも…。その他の登場人物にもそれぞれ見せ場があって良かった。

マナカナの演技は舞台向きかも。特にカナの決め台詞は、京ことばということもあってかテレビより舞台のほうが決まってた。カナは白塗りの舞妓姿から普段の着物姿、洋服と着替えが多くて大変だっただろうな〜。
石橋さんのクドい感じとタンバリンの人の大袈裟な演技も、舞台だとハマっていたな。
三林京子さんと石倉三郎さんはさすがの存在感。ボクシングの井岡弘樹が一瞬だけ出てきたのには笑った。このためだけに半日(2回公演なので)松竹座にスタンバイしているのかしら。亡祖父・宗助は服装がドラマのヘルン先生みたいで最初は分かりづらかった。なぜあの服装?

歌は数曲歌ったが、やっぱりテレビよりライブで聞くほうがいいなあ。前より上手くなってるかも。夢花の京舞も凛としていて綺麗だった。腕前は分からないけど。

ストーリーも登場人物も知っているお芝居なので、改めてすごく感動したということはないけれど、十分に楽しませてもらった。ドラマ後の舞台ということで、出演者同士の仲の良さが伝わってきたし。松竹座デビューも出来て嬉しかった。いつかは歌舞伎を見に行こう。

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by Medalog | 2009-10-15 11:32 | 生活 | Comments(4)

ひと月ぶりの着物

きもの着用今年28回目。所要時間35分。

d0048332_1484657.gif塩沢の単にバティックの二部式帯。襦袢はまだ麻だけど、そろそろまずいかな…。小物は一足飛びに袷用を。
着物が白っぽいので、帯回りの色は秋らしくしたつもり。草履も白より濃いグレーのものがしっくりきた。秋だな。

背中の斜めジワは、今日は出なかったので嬉しい。おはしょりがもっとぴしっと決まるように練習しよう。着物の裾が、最初は床ギリギリの長さにしているのに着付けが終わると短くなってしまうのも注意。

帯は、もう少しゆったり前下がりに締めたいのに気付くとギュウギュウに締めてしまっている。今回は二部式帯なんだから、多少緩くても平気だったのに!

もう少し余裕のある着付け姿になりたい。でも着崩れはこわい。その加減は、たくさん着物を着て場数を踏むしかないですね。


外は涼しい風が吹いていたので、単でも暑過ぎることなく気持ちよく着られた。しかし帰宅して着物を脱いでみると、意外にたくさん汗をかいていたのでビックリ。
あと1〜2回着て、来月には汗抜きに出さないと。それとも、まだ一度も丸洗いに出していないから丸洗いの方がいいのかな?ここらへんがよくわからないんだよなー。洋服同様、自分で考えて決めるしかないのだけど。

今年もあと4ヶ月・16週しかないのに、目標の「着物50回着用」までにはあと22回着なければ届かない。もう少し涼しくなったら、お出掛けなどしなくても木綿着物や紬をたくさん着よう。



行き先は京都市美術館のルーヴル美術館展。
いやー、混んでたわー。入場までに50分待ちという看板を見たときは思わず帰ろうかと思ったが、ここで帰ったら二度と見れないと思い直して並ぶ。(実際は30分強で入場できた)

そして入場してからも人の波がすごい!今まで見たいくつかの美術展では一番の混雑だった。作品に近づくことも自分のペースで見て回ることも、できなくはないが難しい感じ。

フェルメール以外で印象に残った作品は正直なところあまりなかったのだが(会場の混雑に気持ちが負けてしまったかも)、この時代の絵画の、女性の白くて柔らかそうな肌の表現やドレスの布の質感まで見事に表現された細かい描写がとても好き。そういう作品があると、つい近づいてじっと見つめてしまう…のだが人並みに押され押されてじっくりは見られなかった。
まあ大人気の展示だから仕方がないです。見に行けただけでもよかった。
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by Medalog | 2009-09-09 15:06 | きもの | Comments(4)

大阪城薪能

d0048332_9402498.gif大阪城西の丸庭園で開催された「大阪城薪能」を見てきた。

能や狂言について語る教養は一切ないので、「初めての『大阪城薪能』体験記」を書きます。



薪能は若い時に一度見たことがあるだけ。せっかく大阪に住んでいるのだから機会があれば是非見たいと思っていたところに、大阪城で薪能が開催されることを知ったのでさっそくチケットを購入。

ただ一緒に行く人がいないので一人で出掛けることになってしまった。

最初は「薪能、しかも大阪城だなんて夏着物の着納めにピッタリ!」とウキウキしていたのだが、どうやら会場には椅子がなく、芝生の上に敷かれたシートに座るらしい。しかも自由席。

様子が全くわからないので着物は止めジーンズで行くことにした。足が痛くなりそうだけどクッションを持って行くのもおかしいかな…と迷い、結局汚れ防止のために風呂敷1枚だけを持って出掛けた。

一人で出掛けるのは慣れっこだし好きなのだが、一人だと不便なこともある。
その一つが、自由席。
連れがいれば、場所取りをしたあとに交代で席を離れられるが、一人だと私物を置いておくのも不安だし、もし席を取られても文句言う勇気もないし。

今回はその自由席なので、会場に入ってからトイレにでも行きたくなったら困るので、諸々を事前に済ませてから開演15分前に入場した。
入場が遅いので席が悪いのは覚悟の上だったが、後ろや端のシートには結構空きがある。前のほうのシートでもど真ん中だと身動きが取れなさそうな気がしたので、一番後ろのシートの前から2列目、一番端に座る。前後左右の一カ所が空いている(人がいない)だけで、気分的にらくちんだ。

シートに座ってみると、芝生の上なので意外にふかふかした感触。しかしここに3時間座っているのかと思うと、耐えられるかと不安になる。周りを見るとほとんどがシートに直に座っているが、座布団を持参している人もいる。持参した風呂敷はないよりはマシだったが、やはり途中で足が痛くなり左右に代わる代わる足を崩しながらの観劇になってしまった。次に行く時は、厚みのあるブランケットぐらいは持って行こう。

この日は多少蒸すものの夕方以降は涼しい風が吹き、雨も降らず、絶好の「薪能日和」だったのではないかしら。

d0048332_9403619.gifそして舞台の奥には大阪城。
日が暮れてあたりが暗くなるほどに舞台と大阪城だけがライトに浮かび上がるまさに絶好のロケーション。演奏や舞が止まった瞬間、会場がしーんと静まり、遠くから虫の音だけが響いてくるのもいい。


さて肝心の能と狂言ですが。演目は、

金剛流能「吉野静」
火入れ式
大蔵流狂言「萩大名」
観世流能「谷行」。

細かい内容などはパンフレットの受け売り以上のことは書けそうにないので、本当に子どもっぽい感想を。


能については、想像以上に詞章や謡が聞き取れなかったというのが正直なところだ。あらすじと配役を頭に入れ、今どのシーンを演じているかもわかるのに詞章がわからない。
「吉野静」など、「義経」という言葉が聞き取れただけで、ちょっと嬉しくなる始末。(「谷行」のほうは、子方がいることもあって結構聞き取れた気がするが)能を楽しむには、やはりもう少し詞章が聞き取れたほうがいいんだろうなあ。

その分「いいなぁ〜」と聞き入ってしまったのが、囃子。特に大小の鼓の音がたたき方によって変化し、様々な音を響かせるのが気持ちよい。大阪城の下で舞う静御前を遠くでぼんやり眺めながら囃子を聞く、そんな鑑賞を楽しんでしまった。邪道でしょうが。

「吉野静」は登場人物が少なく、静が一人悠然と舞う姿が印象的なのに対して、「谷行」は後半にセットが運び込まれて舞台の広さが半減した上に、登場人物が多く、狭い舞台に10名ほどの役者がいるシーンもあった。ぎちぎち状態。舞台の使われ方が全然違うのが面白く、「能にもいろいろあるのだな」と知って他の演目も見てみたくなった。でもその前にもう少し勉強しないとね…


一方、狂言は詞章も聞き取りやすく、現代劇を見ているような気持ちで気楽に楽しめた。ちょいとアホな大名と太郎冠者、庭の亭主のやりとりだけなのに可笑しくて可笑しくて、声を出して笑ってしまった。(周りもみんな笑っていた)他の演目もこんな感じで笑えるのかしら。見てみたいわあ。


席が一番後ろだったので、正直なところ役者の細かい動きなどはわからない。ただ会場全体が見渡せるので、純粋に能や狂言を楽しんだというよりも舞台・ライトアップされた大阪城・燃えさかる薪・夜風や虫の音・観客を含めた「大阪城薪能」というイベントを楽しんだ、というのが正直なところだろうか。次回はロケーションなど関係なく、能楽堂などで演じられる能や狂言を見てみたい。




<また大阪城薪能へ行く時のための覚え書き>

・一番後ろのシートは、途中退席する客の通り道になってしまい
 舞台に集中しにくいので、もう少し前の席を取ったほうが良い。
・飲食の持ち込みは自由のようなので、早めに入場して良い席を取り、
 お弁当を食べたりしながら時間をつぶすのが良いかも。みんなそうしていた。
・オペラグラスをなぜ忘れた!次回は持って行くこと。
・クッションになるものを持って行く。
・ジーンズは生地がかたく、長期間座っていると膝裏やお腹に食い込んで
 痛くなるので、やわらかい生地の服にする。

・・・って、本当に子どもの感想文みたいになっちゃった。
最後まで読んでくださった方、駄文で申し訳ありません。
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by Medalog | 2009-08-28 11:26 | 生活 | Comments(6)

小袖展

天王寺・大阪市立美術館で開催中の展示「小袖 江戸のオートクチュール」を見てきた。

大阪市内に住んで丸1年になるのに、天王寺にはほとんど行ったことがない。
ただ一度、まだ大阪に住む前に、大阪出身の友人に「大阪で一番ディープなところ、連れてったるわ」と言われて案内されたのが天王寺動物園から通天閣のあたりだったなあ。

今回久しぶりに行ってみたら、天王寺駅前はなんとなくディープな感じが漂ってはいるが、美術館のある公園はとてもきれいに整備されていたし、美術館も大きく立派なものだった。



内容は、松坂屋の膨大なコレクションの中から、小袖を中心に能装束やお香の道具まで約300点も展示されているもの。
内容はもちろん、数のうえから言っても間違いなく見応えのある展示だった。着物で来場すると割引になるということもあって着物で行ったけれど、もしかしたら洋服にスニーカーの方がお勧めかもしれない、というほどすごい量。履き慣れた草履で行ったのに、最後のほうはなんだか猛烈に青竹踏みがしたくなるほど脚が疲れてしまった(美術館の床って、どこも硬くて疲れやすいですよね?)。



展示物は江戸中期〜後期の小袖が中心。
中期のものはさすがに退色が進んでいるが、それでも刺繍糸などはハッとするほど鮮やかな色が残っているものも多かった。後期のものは比較的色が残っていて、当時の鮮やかさが容易に想像できる。

華やかな色も素敵だし、刺繍や染め・織りの技術も素晴らしいけれど、なんといってもいちばん興味を引くのは意匠の面白さ。季節を表す草花から始まり、道具類や風景、動物など、時代によってどんどん意匠が進化していくのが手に取るようにわかる。
裾周りにやわらかな花をあしらっておきながら、袖や肩には黄金のコウモリが大きく何匹も刺繍されている小袖などは私の感性では奇抜としか言いようがないが、当時の人々はそういう柄も面白がって着こなしていたのだろう。

そして、そのような時代の先端をいくデザインの小袖を作るために存在したのが「雛形」だ。今でいうカタログかデザイン帳もしくはファッション誌の役割も果たしていたというもので、女性達はこの雛形をヒントに小袖のデザインを決めたり、または単に眺めて楽しんだりしていたそうだ。
展示物には実物の雛形はもちろん、雛形とそれを参考に作ったと思われる小袖が並べて展示されていたりして面白い。
雛形はモノクロなので(後期には多色刷りのものもあったそうだが)、これを見ながら当時の人々は色鮮やかな仕立て上がりを想像してワクワクしていたんだろうなあ。

小袖は、なんといっても「江戸のオートクチュール」。
柄や色、配置など、全て客が決めることができた贅沢な衣装だ。
客の希望に応える職人の技と膨大な手間ひまも素晴らしい。
そしてなにより、そのような贅沢さでありながら、裕福層とはいえ一般市民も着ていたというところが小袖の面白いところなのではないかと思う。活気が感じられるというか。色が褪せ、布がすり切れていても、そのパワーはびんびん伝わってくる。

こういう感じ、好きだなあ。そのまま自分の着こなしに取り入れる…とは、いろいろな意味でいかないけれど、せめて少しでもどこかで「自分らしさ」が出せたらいいなあ〜。



見終わったあとはとても満足。
ただとても疲れたし、微妙に蒸し暑い日だったので、天王寺駅の地下街で一番最初に見つけた喫茶店に入ってどかっと座り込み、大阪名物(?)ミックスジュースを2口で飲み干してしまった。展示を見たあと時間があれば日本橋のはきはきタウンにでも行こうと思っていたのに時間的にも体力的にも無理だった。
でも、私より年上とおぼしき方々が私より元気に歩いていらしたのになあ。よほど体がなまっているみたい。もっと体力を付けなくちゃ、どこに行っても疲れてしまいそうだ。



この展示に少しでも興味があるという方は、ぜひ足を運んでみてください。
ただし、できるだけ疲れにくい履き物で!
それから、真剣に見ていると結構時間が掛かるので、時間には余裕を持って。



出口近くの物販コーナーは小さいのだが、この展示に合わせてだろうか、着物関係の本がやたらと充実していた。まじめな資料的なものから、秋月洋子さんやきくちいまさん等の著作まで幅広くいろいろと…。このコーナーだけでも結構楽しめそうだったのだが、残念ながら時間切れになってしまい、少ししか見られなかった。

その少しの時間で買ったのが、この本。

d0048332_14201844.gif「小袖雛形」青幻舎。
文庫本サイズで1200円という価格だが、希少な多色刷りの雛形本を復刻したものでほぼ全ページがカラーの図版なので、それぐらいの価格になってしまうのだろう。

小袖展の図録も欲しかったが値段が高いし、重たい図録を持って帰る気力もなかったので、展示の内容とは関係ないがこの本を買うことにした。面白い意匠のものがたくさん載っているので、ゆっくり見ようと思う。
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by Medalog | 2009-05-13 14:22 | 生活 | Comments(4)

京都・南座

思いがけず南座のお芝居のチケットをいただいたので、早速行ってきた。
京都・四条の南座は、場所は知っているが行くのは初めてだ。
内容は劇団新派120周年記念の記念公演。
ミュージカルは何本か見たことがあるが「お芝居」というものは全く見たことがないので、どんな感じなんだろうとワクワク。

開場の少し前に南座へ着くと、入口には切符を片手に開場を今か今かと待つ人たちで溢れかえっている。みんなにこにこしていて、お芝居を楽しみにしているんだな〜と思うと自分も楽しくなってくる。こういう雰囲気、好きだなあ。

昼の公演だったので、開演までの間に座席でお弁当を食べながら場内を見渡す。シックな外観とは異なり、赤を基調としたとても華やかで豪華な内装だ。
古い建物の割には場内が綺麗だと思ったら、内装は平成3年に改修したらしい。高い天井の立派な装飾を見上げながら「改装費ってどれだけ掛かるんだろう」とため息をついてしまう。私には関係ない世界だけど。
客席には芸妓さんらしき着物姿の女性もいたりして、いい雰囲気だわあ。

お芝居は、大正時代の人情劇と昭和のホームドラマの二本立て。
新派というと多少は堅苦しいものかと思っていたが、全然そんなことはなく笑いを交えながらあっという間の数時間が過ぎた。
俳優さんが目の前で演じる迫力や、暗転中にセットを替えているバタバタした感じ、それに客の笑い声や拍手などが相まって、舞台ならではの臨場感を盛り上げて面白い。

南座では歌舞伎はもちろん落語や現代劇、コンサートまでいろいろな演目が行われているのだということも初めて知った。
京阪四条駅からほぼ直結で場所も便利だし、また来たいなあ。


d0048332_17402626.gif塩沢に単の帯。
襦袢は絽麻、帯揚げと帯締めは袷のもの。
この時期は季節感が多少バラけても仕方ないか、と開き直っている。

今日の着物は私の持っている着物の中では柔らかめの塩沢だし、お芝居を見に行くのだからと丈を長めに着付けたつもりだったのに、いざ着終わってみると丈が短くてがっかりだ。
室内で着付けている時と草履を履いた時のバランスは違うんだから、自分が思っているより長めに着付けても大丈夫だと分かっているのに、いつも同じ失敗をしてしまう。
もっとたくさん着付けの練習をしないと、いざという時に上手に着れないなあ〜。

d0048332_17403847.gif出雲阿国の碑の前で。
帯揚げがおかしなことになってるわ…

この日は久しぶりに肌襦袢を着たのだが(普段は洋服用の肌着が多い)、私は肌襦袢の着付けがどうも苦手で、長襦袢を羽織った時点で肌襦袢が着崩れてしまう。
長襦袢を着てから肌襦袢を直すと、長襦袢がぐずぐず崩れてくるし、そうなると着物もうまくいかない。
だからこの日は衿がだんだん開いてきてしまって、帰宅後の姿はエラいことになっていた。

夏物よりも単のほうが、多少は着付けが難しい気がする。
こんなことじゃ、袷の季節になったらどうするんだ!やっぱり、練習しなくちゃ駄目だよね…
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by Medalog | 2008-09-26 18:53 | きもの | Comments(2)

京都でバティック展を見る

風子さんのブログを見て思い出した、京都・細見美術館の
「インドネシア更紗のすべて ─伝統と融合の芸術」展を見に行ってきた。

d0048332_2012953.gif近江上布を着られるのは今シーズン最後になりそうだ。
今週はずっと天気がはっきりしないけれど、麻だから多少の雨なら大丈夫。気温も上がらなさそうなので着物で行くことにした。

帯は、自作した麻の二部式帯を合わせてみた。
色の取り合わせが派手な気もするけど、美術館に行くんだからこんな感じでもいいかな〜。

バティックに興味を持つようになったのは、着物を着るようになってからだと思う。
それまではバティックの存在を知っていたかどうかすら覚えていない。
ただ数年前にバリ島へ旅行したときには、洋服を買ったり食べ歩きに夢中で、たくさん売っていたであろうバティックなど眼中に無かったことは確かだ。
今思えば、もったいないことしたなあ。今だったら、布ばっかり何枚も買って帰ってきただろうな〜。

展示は、バティックの歴史が順を追って紹介され、また生産地による色柄の違いなども詳しく説明されていた。
今までは「バティック」という大きなくくりで捉えているだけだったが、考えてみればバティックだって着物と同様に生産地や時代によって個性が違う訳なのだ。
展示内容をじっくり読みながら見て回るが、とてもじゃないが全ての内容は頭に入らない。目録というか関連書物が置いてあったので欲しかったが、ずっしり重い上にお値段もちょっと高かったので諦めてしまった。

でもいろいろな種類のバティックが見られて、目の保養になってよかった。
細見美術館は、一見小さな建物だが、展示室が地下にも伸びていて思ったよりたくさんの展示物が見られた。
平安神宮の近くで環境もいい。琵琶湖疎水のほとりを散策しながら美術館まで歩くのも気持ちよかった。土手に座ってスケッチしている人や写真を撮っている人もいたりして、今まで知っていた京都とは違うのんびりとした雰囲気が流れているところだった。
帰宅してから改めてガイドブックを見ていたら、近くに焼きたてスフレの美味しい店があったらしい。今度は、展示とスフレの両方を味わいに行かなくちゃ!


d0048332_20122383.gif展示品を見ながら思ったのは、「せっかくだから自作したバティックの帯を付けてくれば良かったかな〜」ということ。
麻でなく木綿だから盛夏には身に付けないほうがいいのかもしれないけど、こういう場合は別にいいよね?
(なんだか秋っぽい色の組み合わせになるけど、八月の終わりだからこれもありだったかなー)

私のバティック布は古いものではないけれど、自分の帯と展示を見比べたら自分の帯の特徴がわかって楽しかったかも、と思うとちょっと残念。
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by Medalog | 2008-08-27 21:10 | きもの | Comments(4)

文楽

文楽(人形浄瑠璃)を、生まれて初めて見てきた。

恥ずかしながら今まで文楽についての知識など全然なく、大阪が文楽発展の中心であったことも知らなかった。小判屋さんが「せっかく大阪に引っ越してきたのだから大阪の文化を味わってみたら?」ということで誘ってくださったので、初めて知ったのだ。


場所は大阪・日本橋の国立文楽劇場。
「夏休み文楽特別講演」ということで、子供向けのプログラム・親子劇場「西遊記〜悟空の冒険〜」と、名作劇場「お夏 清十郎 五十年忌歌念仏」「鑓の権三重帷子」を見た。


「西遊記」は、小学生あたりを対象にした楽しい演目で、観覧していた子供たちは大喜びだったが、初心者の私も思い切り楽しんでしまった。「古典芸能でこんなにくだけちゃってもいいの?」と思うほどサービス満点な演出は、さすが大阪文化!?

また演目の途中にある「文楽へのご案内」というコーナーでは、人形の使い方などの解説があり、一体の人形を3人で操っていること、それぞれの動きのつながり、表情の出し方などが見られたのも良かった。首と右手を操作する主遣い(おもづかい)のちょっとした合図で、左遣いや足遣いが動きを替えたりするそうだ。
この解説を見た後は、人形遣いの方々の技や3人の息の合った動きなどが少しわかるようになり、面白さが倍増した。


一転、名作劇場のほうは作=近松門左衛門の不倫・姦通などがテーマの大人の話。
切なさ、苦しさなどの女心を表す人形の動きが見事だ。首や肩、手先の動きの柔らかさは女の私が見てもドキッとしてしまうほど美しく、しなやかで細かい。

動きの美しさにうっとりすると同時に「こんなしなやかさを、人が棒を操作して表現しているんだなあ」という現実的な驚きもあって、人形から目が離せない。
さほど広い劇場ではないけれど、オペラグラスを使っている人が多いのも納得。みなさん、細かい動きのひとつひとつまで堪能しているのだろうな。私も、また見る機会があったらオペラグラスで観劇してみたいなあ。



自分からはなかなか見ることがないであろう文楽に誘っていただき、楽しく過ごした一日だった。
次回は天満天神繁昌亭で上方寄席も見てみたいなあ。
…それにしても、東京で働いていた時に歌舞伎も浅草の寄席も一切見なかったのはもったいなかった。今更ながら残念だ。
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by Medalog | 2008-08-07 22:04 | メダカ | Comments(2)

舞妓Haaaan!!!

公開以来ずっと見そびれていた映画『舞妓Haaaan!!!』を、やっと見てきた。
あらすじはみなさんご存知の通り、「舞妓と野球拳をするのが夢」というサラリーマン・公彦(阿部サダヲ)が巻き起こすコメディで、「そんなアホな!」という突っ込みどころ満載の映画。

舞妓さんは可愛いし(小出早織ちゃん、最高に可愛い!)、芸妓さんはきれいだし、もちろん着物も美しい。たっぷり出ている半襟の刺繍の素晴らしさといったら!
そしてなにより、たくさん笑えるPOPで楽しい映画だ。
映画館を出る時、ニコニコ笑って出て来れる映画が大好きな私にはピッタリの1本だった。
京都や着物に興味がなくても、きっと楽しめそう。


さて、そんな楽しい映画を見て、なんだかまた着物のことを思い出す。
「小千谷縮の掘り出し物でもないかしらん」と、映画館の近くにある小さなリサイクル着物店に寄ってみるが、夏物は浴衣しかなく、かといって袷を探す気分でもない。

d0048332_1633174.gif結局、うそつき襦袢の袖や半襟に使えそうな端切れを数枚購入。
その後、他の店で手ぬぐい1枚。
柄は、栗!

・・・この色使い、秋ですねえ。


ミワさんの京都&舞妓はんにTBしました。
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by Medalog | 2007-08-01 16:40 | 生活 | Comments(8)

肉筆浮世絵展「江戸の誘惑」

ひと月ほど前に、名古屋ボストン美術館の肉筆浮世絵展「江戸の誘惑」を見にいった。

きものを着るようになってから、和のもの全体に目が向くようになってきたせいもあり、
また肉筆の浮世絵というものを見たことがなかったので、興味津々で出掛けた。
その時期は「着物で来場すると入場料が半額」というキャンペーンをしていたので、
夏きものを着て出掛けたかった、というのも理由の一つだったのだけれど。

展示の内容は大変素晴らしかった。
今まで浮世絵といえば、どれもみな同じような平坦なタッチで描かれたものだと
思い込んでいたけれど、肉筆画を間近で見ると、作者によって、また年代によって
これほどまでに個性豊かな表現をしているとは、恥ずかしながら全く知らなかった。
よくよく見ると、人物の表情や髪型、手先の動き、着物の柄など、
驚くほど繊細かつ色鮮やかに表現されているものが多い。
描かれる題材も、江戸の景色や風俗をはじめ、歌舞伎の絵看板や役者絵、
古典から題材を得た見立絵(妖怪も出てくる)など実に豊富で飽きることがない。
名古屋では今月27日まで、その後は江戸東京博物館で10月後半から12月前半まで
開催されるそうなので、少しでも興味のある方は見に行って損はしないと思う。

さて、展示を見てとても満足したわけだが、売店で売っていた分厚い図録を
買おうか買うまいか悩んだあげく、結局買わずに帰ってきてしまった。
しかし帰宅後も、「やっぱり買えばよかったなあ」と後悔しきり。

ちょうどその頃、新聞に肉筆浮世絵展の記事や、「今日の一品」という絵の写真と解説が
日替わりで掲載されているのに気づき、家に残っている古新聞を引っ張りだして、
記事を片っ端から切り抜いた。
d0048332_13534216.gif
自分が一番好きだった絵も掲載されていて嬉しかったのだが、
いかんせん新聞紙への印刷なので質がいいとは言えないし、長期保管できるものでもない。
やっぱり図録を買えばよかった・・・と、うじうじ悩み続けた結果、
これだけ欲しいのなら買っちゃおう!と、図録を買いにもう一度美術館へ行くことにした。

ちょうど名古屋方面への用事が出来、また名古屋高島屋で「呉味の市」という
着物関係のセールもやるらしいので、一日で全部済ませよう、といざ出陣。

まずは大事な用事を済ませたあと、名古屋ボストン美術館へ行って図録を購入。
中を見るのは帰宅してからのお楽しみにして、金山駅を挟んだ反対側にある
「アスナル金山」というショッピングモール?を覗いてみた。

「うれし屋」というきもの屋さんに入ってみた。アンティーク着物を扱っていると聞いたことが
あるのだが、この時期はまだまだ浴衣がほとんどのようだ。
小物が豊富だったので、手ぬぐいと柄足袋を購入。
ここは通路が屋外なのでとても暑く、涼しい室内に入っても汗が全然引いてくれない。
会計を済ませて店を出るまで汗ダラダラのままで、恥ずかしかった。
普段はあまり汗をかかない(新陳代謝が悪い)ほうなので、この汗には我ながらびっくり。

JRで、名古屋高島屋へ移動する。「呉味の市」を見るのは初めてだ。
古着やバーゲン品がたくさん出ていて、見る目がある人にとっては宝の山なのかも
しれないが、素人なので古着が「買い」なのか、そうでないのか、さっぱりわからない。
羽織があれば欲しいのだけれど、羽織そのものには欲しいものが見つからないし、
着物を買って羽織に仕立て直すにしても、これらの着物に仕立て代をかける価値が
あるのかどうか、全く見当もつかない。
勉強のためにも一通り見たけれど、きものを買う気にはならなかった。
小物のワゴンセールで、欲しかったロング丈の割烹着と、帯揚げ・帯締めをひとつずつ購入。

「呉味の市」の隣にある呉服売り場へ移動し、博多の半幅帯を探すが見当たらない。
若い店員さんが着たので、「博多の半幅帯、ありますか?」と聞くと、
「はい、こちらにたくさんございます」と言いながら連れて行ってくれたのは、
ただの半幅帯のコーナーだった。頭の中が「?」でいっぱいになる。
もしかしたら、私の滑舌が悪くて「はかた」と「ゆかた」を聞き間違えたんだろうか?
結局、博多織の半幅帯は見つからず、手ぬぐいと風呂敷を一枚ずつ購入。


d0048332_14301434.gif帰宅して買ってきたものを広げる。
この瞬間が一番楽しいひとときかも。


これは肉筆浮世絵展の図録。

やっぱり買ってよかったわ〜。
色の美しさもさることながら、
絵や作家の解説も事細かに書かれているし。

本棚にしまい込まずに手元に置いて、
たくさん眺めたい。

手ぬぐい2枚と柄足袋、下に敷いているのは風呂敷。
店の品揃えも、買い手の私の気分も、すっかり「秋」だ。
d0048332_14362638.gif
風呂敷は、きものを着るようになって便利さを再認識したものの一つだ。
これがバッグだと、入れるものが大きくても小さくても同じ形のままだが、
風呂敷は中身の大きさや形によって自在に包み方を買えることが出来るのがいい。
最近は、箪笥の片隅にしまってあった風呂敷やスカーフを引っ張りだして
箱のない下駄や草履やバッグなど、いろいろなものを包んでいる。
きもので外出する時も、一枚持って行けば間違いなく便利だし、
色柄も季節によって楽しめるから、これも手ぬぐい同様にハマってしまいそうな予感。
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by Medalog | 2006-08-25 14:51 | 生活 | Comments(2)

大阪在住主婦の、のんびりメダカ飼育と着物を楽しむ日記です      


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