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晩夏の京都・嵐山

お友達に誘っていただいて、京都・嵐山へ。
嵐山には2〜3回行ったことがあるけれど渡月橋とおみやげ屋さんぐらいしか記憶にない状態なので、お誘いいただいてどんな嵐山が楽しめるかとワクワク。



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阪急電車の嵐山駅。
この駅を利用するのは初めてで、こじんまりとした雰囲気に朝から癒される。
ちょっと見えづらいけれどベンチの手すり?が車輪のような形になっているのが素敵だった。これが普通の無骨な手すりだったらホームの雰囲気が大分違ってしまうと思う。



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駅から歩いて数分で渡月橋付近に到着。
この空の色、いかにも一雨来そうでしょう。
実際にこの辺りから雨が降りだしたのだが、日傘兼用の折り畳み傘でも凌げる程度の強さだったので、雨のおかげで暑さも和らぎ緑の匂いが濃くなってちょうど良かったぐらいだった。



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この日の目的地は、宝厳院
9月末まで、”文化財特別公開 本堂・書院”を行っているので、この機会に拝観してきた。

天龍寺の塔頭で、もともとは室町時代に別の場所に創建されたが応仁の乱で焼失、その後変遷を経ていまの場所に移転再興されたそうで、本堂の完成は平成20年という新しいもの。
白木の清涼感が漂う本堂の奥に室町からの由緒ある十一面観世音菩薩が祀られている様子は少々不思議な感じもするが、その雰囲気をさらに高めているのが田村能里子さんによる襖絵「風河燦燦三三自在」。

写真撮影は不可だったので上部のリンクから見ていただきたいのだが、麻布のキャンバスにアクリル絵の具で描かれ、目にも鮮やかな「タムラレッド」と呼ばれる朱赤を基調とした色使い。
お寺の襖絵としてはとても斬新なものだった。
人物の描写や全体的な筆のタッチを含めて「洋画そのもの」という印象を受けたのだが、シルクロードのゆったりとした時の流れがそこにあるようで、襖絵として違和感はなかった。
というよりも、真新しい本堂に室町の菩薩像を祀っているという独特の時の流れを持つこの宝厳院にとても相応しい襖絵だと思う。
この本堂と襖絵が100年、200年経った時にどのような表情を見せているのか、見ることができないのが残念かな。



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庭園は獅子吼の庭と名付けられているようだ。
日本庭園の特徴と言えばそれまでだが、どの方向から見ても隙のない計算され尽くした美しさが素晴らしい。
この時期は夏の濃緑が見事だったが、秋の紅葉もぜひ見てみたい。
秋の嵐山も混雑が激しいだろうけど…

上の写真は獅子岩と命名された巨岩。
お寺の方曰くこの岩はパワースポットとして人気が高まりつつあるそうなので、便乗して写真に収めてきた。スマホの待ち受けにしようかな。
お寺のあちこちにこのような大きな岩が配置されていて、どのように運んだのかと考えるだけで気が遠くなりそうだ。



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本堂から続く書院は、大正期の数寄屋建築。
夏の終わりの涼しい風を感じながら眺める獅子吼の庭。とても贅沢な空間だ。
四季折々にここに座ってみたい。



渡月橋から徒歩数分でこんなにも静かで美しいお寺を堪能できるとは思わなかった。
嵐山初心者としては、今後もあちこち探索しなくては!と思える楽しい時間だった。
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by Medalog | 2015-08-24 13:40 | 旅行・食べ歩き | Comments(4)

絣の美

先週末まで、万博公園内の大阪日本民芸館で開催されていた「絣の美 模様の世界」展を見てきた。

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弓浜絣を中心として久留米絣や宮古、首里織なども数点。
着物に仕立ててあるものや着尺の状態のものより、布のごく一部を展示してあるものが圧倒的に多く、傷んでいる布地も多かった。
でも新品の美しい生地よりも擦り切れたり虫食いのある生地のほうが、絣の布地が生活に密着していたものだということを体現しているようでよかった。

幾何学模様も美しいが、動植物などを結構自由な発想で織り出しているのが好みだった。
上のチラシにも載っているふくら雀、可愛い!
もし絣の着物を買うことがあったらぜひこのような可愛い柄のものを手に入れたいが、価格的に無理だろうし、そもそも希少すぎて反物で手に入れることなどできなさそう…。
まあ想像するのは自由ということで。宝くじの季節だし。

この民芸館のポリシーだと思うのだが、展示物の紹介の仕方が「弓浜絣」「久留米絣」などのようなブランド的な紹介ではなく、例えば「縞入りふくら雀・笹文絣布 地域/鳥取県弓ヶ浜」というようにあくまで絣の模様をメインに紹介していたのが印象的だった。
「民藝」の考え方に沿った展示方法なのだろう。

展示品の中に、着物に仕立てられた宮古上布(民藝的な考えだと「麻紺絣着物 地域/沖縄県宮古」)があった。
弓浜や久留米の絣に重量感があるのに対して宮古上布は透き通るような軽やかさなのは当たり前だが、偶然なのか狙った演出なのかはわからないけれど空調の風で着物が柔らかく揺らめいていたのがとても美しく、沖縄の空気を感じられる気がしてとてもよかった!
布地が傷むことがないのなら、南の島の上布を展示するときに風を取り入れることを呉服関係者の方々に提案したい(笑)!



多少の雨なら着物で出かけるつもりだったのだが、その日の夜に台風が上陸するかもということで天候が不安だったのと、万博公園の大きさや環境がわからなかったので洋服で出かけてしまった。
現地に着くと、雨はあまり強くなかったが風に押されて早足になってしまうほどの強風だったので、まあ洋服でよかったかな。

ただ万博公園内の、少なくとも中央口から大阪日本民芸館あたりまでは階段や急坂を通らなくてもゆったりと歩ける造りで、通路もきれいに舗装されているため、着物で行くこと自体は問題なさそうだった。
疲れたときに休める場所も、売店からレストランまで数箇所あった。これは着物で行くときには大事なポイント!
民芸館や博物館の他に日本庭園もあるし、実際に着物で来る人もいそう。
いつか気候のいい時期に着物で行ってみようかな。

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初めて訪れた万博公園、せっかくだから民芸館以外も探索しようかと思っていたが、モノレールの駅に「台風の影響で遅延の可能性あり」というようなことが掲示してあり、もし運行中止にでもなったら他の方法で帰宅するのが面倒そうだったので、結局そそくさと公園を出て地元近くの駅まで戻ってしまった。

太陽の塔の背後に広がる空も、いかにもこれから荒れそうな感じだもんね〜。
実際にこのあとは雨風が強くなり、私の住むあたりは特に被害はなかったが大阪〜京都間で電車が数時間も立ち往生したり、翌朝は大阪市内のJR線がほとんど動かないという大変なことになっていたようだ。

今週末もまた台風が来そうだし、皆様どうぞ暑さと台風に気をつけてお過ごし下さい!
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by Medalog | 2015-07-21 12:43 | 生活 | Comments(6)

沖縄の布

【大阪くらしの今昔館】で開催されていた「風に舞う布 琉球染織の美」という展示を見てきた。

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展示スペースはさほど広くはなかったが、沖縄を代表するいろいろな織物と染め(紅型)が数種類ずつ展示され、また紅型の手順が詳しく展示されていたりしてなかなか見ごたえがあった。

織物は首里織、読谷山花織、八重山上布、芭蕉布、宮古上布、琉球絣、ミンサー、他にもあったかな?
各2〜3点ずつの展示だったのだが、どれもがとにかく素晴らしくて、会場を2周してしまった。

【大阪くらしの今昔館】にはこの展示を知って初めて来たのだが、地下鉄・天神橋筋六丁目に直結していて行きやすい場所だし、今後も展示内容をチェックしなければと思った。



そして展示会場に置いてあるチラシで見つけた、大阪日本民芸館で開催中の【絣の美 −模様の世界−】もぜひ見に行かなくては!

今回の【風に舞う布】展は、着物を着て見に行きたかったのだが、せっかく梅田方面に出るなら他の用事もあれこれ済ませようと考えたら結局洋服&スニーカーになってしまった。
(この展示に来て行きたいような沖縄の染め・織のものを持っていないせいもあるかも・笑)
でも絣なら着ていくものもあるし、暑い盛りになるけど着物で出かけてみたいな。
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by Medalog | 2015-06-29 11:50 | 生活 | Comments(4)

久しぶりに塩沢お召

昨日の大阪は暑かった!日中は30℃を超えたとか。

そんな中、久しぶりの着物。

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もう麻の着物を着てもおかしくないような日差しと気温だったがさすがにそれほどのフライングをする勇気はなく、久しぶりに塩沢お召を引っ張り出してみた。
シャリっとしていて着心地のいい単衣着物だが、結構汗をかいてしまったので縮んでしまったらどうしよう?と心配しつつ半日を過ごした。
帰宅後に調べてみたら汗は下着で止まっていて、お召は湿っていなかったのでホッとした。



今回きものの下は楊柳地の化繊長襦袢にシルクのワンピース肌着。
シルクの肌着はさらっと肌触りがいい。ワンピース型なのも着やすくていいのだが、真夏日の下着には向いていなかったかも。
あしべ織の汗取り下着は厚みがありウエストの太い私は遠慮したいので、シンプルに綿や麻の半襦袢がいいのかな。
あと脇に汗をかくと不快感が大きいので脇の汗取りが必要だと実感。手持ちの半襦袢には付いていないので自分で縫い付けないとダメかしら。



帯は生紬。
これもシャリっとしていて軽くて単衣の時期にぴったりの締め心地。
ただ前帯の柄が全然出せなかったのだが、このまま出掛けてしまった。

そういえばこの帯はいつもこうなってしまうんだった。
この帯は長さがたっぷりありすぎて、前帯の柄は出しづらいしたれもお太鼓の中で余ってしまう。
て先を10cmほどカットしたら前帯の柄が出しやすくなるかも…
でも一度切ってしまったら元には戻せないし、なにより勿体無い。
着付けでうまく工夫しなくては。て先を折り曲げればいいのかな?



今回は15分着付けは意識せずに帯をゆったりと締めることに集中した。
この帯はガサガサしていて滑らないので、少々緩めに巻いても滑り落ちる心配がなく余裕を持って締められたのは良かった。
時間を意識しなかったせいか、またお召の質感が着付けしやすいのか、着物もスッキリと着ることができた。
前帯がゆったりしているので帰宅時まで胸元の布が帯に乗ることもなく、久しぶりに着付けが上手くいった感じだ。
(前帯の柄出しを除いては)



出掛けた先は天王寺の大阪市立美術館。
シカゴ ウェストンコレクション 肉筆浮世絵 美の競艶
着物で行くと割引があるので、着物姿の女性が多かった。
ほとんどの人が白地の着物だったが素材までは拝見できず。
暑い中、みなさん涼しげに着こなしていた。

私は版画の浮世絵の平板な感じが好きなのだが、肉筆の浮世絵は表現の細やかさ、柔らかさや力強さ、そして色の鮮やかさなど全てが際立っていてまったく別物だ。

特に気に入ったのは、歌川豊国の「時世粧百姿図」。
身分の高い女性から夜鷹まで、様々な階層の女性の暮らしやファッションが細かく描かれていて実に楽しい。
浮世絵といえば美人図だけれど「時世粧百姿図」の中には「美人じゃない女性」が登場するのもちょっと面白い。
遊郭に出入りする商人や下働きの飯炊き女、瞽女までリアルに描かれているのは珍しいのではないかな。

大阪展のあとは長野と東京でも展示があるそうだ。
そちらでも着物割引があるかもしれないので、ぜひお出かけください!
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by Medalog | 2015-05-28 10:14 | きもの | Comments(4)

川喜田半泥子物語 その芸術的生涯

頂きものの美術展のチケットがあり、いつの間にか有効期限が迫っていたので焦って見に出かけた。

川喜田半泥子物語 その芸術的生涯
あべのハルカス美術館 3/17〜5/10
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川喜田半泥子という人のことを恥ずかしながらほとんど知らなかったのだが、会場で略歴を見て驚いた。

江戸時代から続く津の木綿商人の家に生まれ、百五銀行の頭取を務める。
そのかたわら、陶芸、書画、写真などに豊かな才能を発揮した趣味人、なのだそう。

以前三重県中部に住んでいたのに、このような方のことを知らなかったなんて。
木綿の伊勢商人が隆盛を極めたことはもちろん知っていたし、三重県を代表する地方銀行の百五銀行にも仕事でよく通っていたのに「名前は聞いたことがあるな」程度の知識だったのが恥ずかしい。



展示作品はとても見ごたえのあるものだった。
展示の量も豊富だし、半泥子氏とゆかりの人々の陶芸、書画、写真の数々はのびのびとした作風が気持ちよく、半泥子氏の人柄が伝わってくるようだった。

それにしても大正から昭和初期だろうか、まだまだ海外旅行が一大イベントだった時代に何度も出かけて行ったり、陶芸に傾倒してからは自らの窯を立ち上げたりと、実業家として多忙でありながら趣味の世界にも貪欲なのが素晴らしいと感じた。
心身ともにパワフルな人だったのだろうと思う。
その反面、洋行時のスケッチやメモなどは伸びやかながらそのまま作品にできそうなほど整然と美しく、作品を見れば見るほど興味をそそられてしまう。



いい展示を見たと満足しながら会場を出ようとして、半泥子ゆかりの石水博物館のパンフレットを見て、これまたびっくり。
三重県在住時に一時勤めていた会社のビルから徒歩でもいける距離に、このような博物館があっただなんて!

そしてお土産コーナーでさらにびっくり。
津の有名な洋食店、東洋軒の名物メニューであるブラックカレーは、なんと半泥子氏が「黒いカレーが食べたい」とリクエストして生まれたメニューだったとは!
私ももちろん食べたことがあるが、懐かしかったのでお土産にレトルトのブラックカレーを買ってきてしまった。

(ブラックカレーのパッケージに「東の魯山人、西の半泥子」と称される…とあり、そこまで有名な方を知らなかった自分をますます恥じた)



津市には半泥子が設立した窯場・廣永窯のギャラリーもあるらしい。
津市界隈で、石水博物館を見学〜東洋軒のブラックカレーでランチ〜最後に廣永窯ギャラリーでショッピングしてカフェで一息、という半泥子三昧の1日が楽しめそうだ。
ただ公共交通機関利用だと微妙に不便ではあるけれど…。
いつか行きたくなったら、三重の友達に車を出してもらおうかな。
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by Medalog | 2015-05-09 20:21 | 生活 | Comments(6)

MIHO MUSEUM

滋賀県のMIHO MUSEUMに行ってきた。

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駐車場の近くにあるレセプション棟から展示のある美術館棟までは緩やかな坂を上っていくのだが、その両脇には見事なしだれ桜が。

満開を少し過ぎた感じだったろうか、しだれ桜特有の憂いを帯びた姿形と薄曇りの空模様、そして山あいの美術館というロケーションが相まってとてもいい雰囲気だった。
いい季節に来ることができて満足。

この日見た展示は2つ。

”曽我蕭白『富士三保図屏風』と日本美術の愉悦”
とても小さい仏像や焼き物などが心に残る。
小さいのに精巧な作りが素晴らしいのはもちろん、やはり小さいものはそれだけで可愛い。

”バーネット・ニューマン 十字架の道行き”
大きなパネルにほとんど白と黒の縦ライン、それも1〜2本だけで構成された世界。
とてもシンプルで、正直なところ何を表しているのかまではわからなかったがとても綺麗で、好きな表現だった。



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ご一緒した方に写真を撮っていただいた。

うーん。
自分ではうまく着付けをしたつもりなのだけど、写真に撮ってみると全体的にモッサりしていると感じる。
裾のあたり、やたらと前が短くて後ろが長いような…

帯はこの日初めて締めた紫根染めの絞りの帯。
思いの外長さがあり、お太鼓のタレがどうしても長くなってしまって調整に手間取ってしまった。
15分で着付けは無理だったが、多少手間取っても25分だったので今までに比べたら早くなってきたかな。

全身写真を撮ると着付けの参考になるので今後もできるだけ撮ってみたいけど一人でスマホでは難しくてせいぜい首からおはしょりぐらいまでしか写せない。
スマホ用の三脚でも購入してみようかしら。



お友達から筍をいただいたので、喜んで持ち帰る。
この春、何度もスーパーで筍と価格を見比べては諦めていたので…

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大きくて鍋に入りきらないので皮を少々むいたところ。

焼いたり炊き込みご飯にしたり、ありがたくいただきま〜す!
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by Medalog | 2015-04-17 20:48 | きもの | Comments(6)

シネマ歌舞伎

お友達のブログで知った歌舞伎の映画を見てきた。

二人藤娘/日本振袖始

玉三郎さんの舞台はテレビでしか見たことがなかったので、映画でもいいから一度見てみたくて出掛けてみた。



二人藤娘は有名な舞踊の演目「藤娘」を七之助さんと二人で踊るというもの。
七之助さんの藤娘の初々しさと、玉三郎さんの藤娘の自然体の美しさと、どちらも華やかで素敵だった。
私は踊りのことをよく知らないので踊りが長い演目は飽きてしまうこともあるが、玉三郎さんの踊りはもっといろいろ見てみたい。

そしてスクリーンに大写しになる衣装の美しさ!
重ね着をしていたり、衣装替えがあったりするので、様々な色の藤柄の振袖と帯をしっかり見ることができて嬉しかった。

日本振袖始は八岐大蛇伝説を近松門左衛門が芝居にしたものだそうだ。
若々しく力強い勘九郎さんの素戔嗚尊(スサノオノミコト)と、美しい姫から恐ろしい形相の大蛇に生まれ変わる玉三郎さんの八岐大蛇の戦い。
玉三郎さんを先頭に合計8人の役者さんが作る大蛇は、揃った動きが実にお見事。勘九郎さんとの立ち回りは迫力があり、生の舞台でも拝見してみたいと思った。

そして大蛇の化粧がグロテスクなほどに怖くて、目を剥いて舌をむき出しにして見得を切る姿は「これが玉三郎さん?」と疑ってしまう荒々しさ。スクリーンに大写しだから余計に怖い(笑)

実際に舞台を生で見る時の臨場感や感激には敵わないが、冒頭に玉三郎さんによるガイドがあったり舞台裏で化粧を着付けをする様子が挿入されていたりと映像ならではのお楽しみもあり、これはこれで楽しかった。



劇場で見つけた月イチ歌舞伎のパンフレット。
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シネマ歌舞伎、月イチ歌舞伎という言葉は知っているけれどあまり興味はなかったのだが、過去に上演した演目を月替りで映画館で上映するものらしい。

今年のパンフレットを見ると、9月だけが2つの演目でその他の月は一つの演目の上映なので、幕見席のように自分が見たい演目だけを見ることができるのはいいと思う。
映画館なので、ゆったりふかふかのシートで飲んだり食べたりしながら見ることができるのもいい。
(それにあまり混んでいないのでお尻が痛くなったときなどに体を動かしやすいのも嬉しい)
と言っても静かでしっとりした演目のときに何かを食べる音を立てるのは気がひけるが、賑やかな演目の時ならポップコーン片手に観るのもいいんじゃないかと思う。

今年の月イチ歌舞伎のラストは、昨年6月に上演されたヤマトタケル。
襲名披露の口上を含めて、休憩2回を挟み3時間40分という大作だ。
こちらも生で見たことのない役者さんばかりだし、映画館で気楽に見られるならポップコーンとコーラをお供に見てみようかな。
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by Medalog | 2015-01-30 12:56 | 生活 | Comments(4)

心地いい声

狂言だけの催しを、初めて見てきた。

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たまたまこの公演の情報を見つけて、面白そうなのでチケットを取ってみた。

演目の前に萬斎さんのレクチャートークがあり、また演目も面白くてわかりやすい2本が選ばれていたようなので、狂言初心者にぴったりの公演。
もちろん私にもぴったりで、楽しかった。



狂言は本来なら舞台の高さに近い目線で見るものなのだろうが、2階席から見てみると舞台上の役者さんたちの位置関係や動線がよく見えて、動きの美しさも堪能できてよかった。

舞台セットはなにもなし。
清々しい白木の本舞台には屋根も柱も欄干もなく、左右に橋掛りが伸びるだけ。それが研ぎ澄まされた美しさを放っていた。
演目が始まる前、シンプルな本舞台の上に吊るされている大きなしめ縄が薄暗い照明に浮き上がっているのがとても綺麗だったのだが、撮影禁止だったのがとても残念だった。



演目のひとつ「蝸牛」は、蝸牛の姿を知らぬまま捕りに出かけた太郎冠者が山伏を蝸牛と間違えてしまい、蝸牛になりすました山伏にからかわれるという有名な話。
私も過去に見たことがあったのだが、今回は萬斎さんの軽妙なレクチャーの直後ということもあり、とにかくおかしくておかしくて。
万作さん演じる太郎冠者に誰もが釘付けで、最後の方はもう太郎冠者がじっとしているだけであちこちからクスクス笑いが。そして動き出すたびに会場がどっと沸き、役者の術中に劇場中がすっぽりはまってしまった感じだった。

「岡太夫」。聟が舅の家で初めて蕨餅をご馳走になり、あまりの美味しさに家で待つ妻にも作らせたいと思うが、どうしても「蕨餅」という名前が覚えられなくて…という話。
太郎冠者を間に挟んで酒を酌み交わす聟と舅のやりとりがとても軽妙で、萬斎さん演じる聟どのはしぐさやセリフに現代の笑いを取り入れている部分もあるように感じたけれど実際はどうなのだろうか。

どちらの演目もとても面白くて、レクチャーや休憩を含めた正味2時間はあっという間に終わってしまった。



今回印象に残ったことの一つは、萬斎さんの声。
舞台上で実際に聞いてみると、実によく響く心地いい声だった。
生まれ持ったお声なのか、舞台で鍛えたからなのか。

演目中はもちろんだが、レクチャートークでマイクを通じて話しているときも話のテンポの良さと相まって実に心地よい。
その証拠に、レクチャー中に居眠りをしてしまう観客がちらほら…。

実は私の横に座っていた見知らぬ女性も、何回か船を漕いだあと徐々に私の方に傾き始め、とうとう10秒ほど肩を貸す状態になってしまった。
2階席は傾斜が急なので舞台がよく見える反面、おそらく舞台上の萬斎さんからもよく見えているので「そんなに派手に寝ちゃっていいの?」と他人事ながらドキドキしたが、それより気になったのは着物を着ている私の肩に10秒以上も髪を押し付けられてしまったこと。

この日は義母のお下がりの付け下げを染め替え・仕立て直ししたものに初めて袖を通したので、肩にその女性の整髪料とかメイクがついちゃったらどうしよう!とハラハラ。
まさか邪険に振り払うわけにもいかず、その方が自力で目覚めるまでの時間がとっても長かった!
でも帰宅後に付け下げの肩を調べてみたら何も付いていないようだったので、一安心。

まあ、その女性が悪いのではなく、萬斎さんのお声があまりにも心地よすぎたからということで。



着物については次の記事で書きます。
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by Medalog | 2015-01-22 14:33 | 生活 | Comments(0)

南座 顔見世興行

年末の風物詩、京都南座の吉例顔見世興行を思いがけず見ることができた。

一週間ほど前に祇園に行き、今年もこの季節が来たなあと思いつつ南座の前を通り過ぎていたのだが、その後お友達からお誘いをいただいて急遽出かけることになり、嬉しい限り。

今回はいつも自分で手配するよりもいい席に座ることができ、観劇の臨場感を存分に味わうことができた。



演目覚え書き。

第一  藤十郎の恋
           坂田藤十郎/扇雀  宗清女房お梶/孝太郎

第二  恋美脚大和往来 新口村
           亀屋忠兵衛/梅玉  傾城梅川/秀太郎  父孫右衛門/我當

第三  新皿屋鋪月雨暈 魚屋宗五郎
           魚屋宗五郎/幸四郎 おはま/魁春 磯部主計之助/橋之助

第四  仮名手本忠臣蔵 七段目 祇園一力茶屋の場
           大星由良之助/仁左衛門 お軽/七之助 寺岡平右衞門/勘九郎



一力茶屋以外は全て初めて見る演目だった。

今回特に印象に残ったのは、恋美脚大和往来で我當さんが演じる主人公の父・孫右衛門。
息子が公金横領という大罪を犯し、その金で身請けをした遊女とともに父の元へ逃げてくる。
捕まれば死罪は免れないので、その前に父に一目会って不孝を詫び、また自分の嫁を紹介したいと願う息子。
息子の顔を見れば自分の手で縄をかけねばならぬから、会いたいのに会うことを拒否する老父。
最終的には再会を果たすのだがそれが最期の別れでもあり、老い先短い父にとっては身を切られるような辛い思いの中で、罪人になり死を待つ息子夫婦を包む深い愛情。
役者さんの表情まで見える席だったので、我當さんの演技をしみじみと堪能させていただいた。

そして一力茶屋。
「十八世中村勘三郎を偲んで」ということだからか、勘九郎さんと七之助さん兄弟が平右衞門、お軽の兄妹を演じるのが見もの。
ベテラン俳優さんたちの円熟した演技が素晴らしいのはもちろんだが、若い役者さんたちのパワーあふれる演技もまた素晴らしく、さらに実の兄弟ならではの息のあった演技はまさに熱演だった。
そして仁左衛門さんはいつ見ても正統派の二枚目で、存在感も抜群。ただ立っているだけの姿も格好良くて、今回も拝見できて嬉しかった〜。



d0048332_912323.jpgグレーの紬にリサイクルの八寸名古屋帯。

事前に席の位置を知らなかったため、座りやすさを優先して気楽な着物と帯を選んで決まったのだが、良いお席だったのでもう少し見栄えのいい着物と帯を選べば良かったと後悔。

・・・と言っても、これ以上いい着物って何か持ってたかしら?
他に持っている袷の着物と言えば結城に大島、十日町。どれも紬だ。

あとは色無地だが、色が濃いピンクなのだ。
上手く着こなせば劇場に華を添えることができるのかもしれないが、派手さが気恥ずかしくもあるし、合わせる帯や小物もないし。

観劇用に訪問着や付け下げを用意する、とはとてもいかないが、小紋の一枚ぐらいあってもいいのではないかと思う今日この頃。
袷の季節を通して着られるものがいいので、江戸小紋でもいいな。

宝くじ、当たりますように!
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by Medalog | 2014-12-22 10:51 | きもの | Comments(4)

バルテュス展

お友達に誘っていただいてバルテュス展を見てきた。
(京都市立美術館・9月7日まで)

終了間際にしては比較的空いていたようで、絵が見辛いということはなかった。
作品の展示量はかなり多く、その中でもやはり少女をテーマにした作品が印象に残った。

女性が肌を露出した絵画は珍しくもないが、それが少女となるとやはりセンセーショナルだ。
バルテュスに特別な嗜好があったわけではなく自然な美の象徴として描いていたようだが、元々は貧乏から抜け出すために敢えてスキャンダラスな題材を選んだという注釈があった。

面白いなと思ったのは、肌を露出した少女一人だけを描くのではなく、そばにはごく普通に日常生活を送る着衣の大人や子供が描かれていること。
宗教画のヴィーナスだと周りに集う人々も布一枚を羽織った薄着だが、バルテュスの絵では大人びた表情で肌をあらわにする少女のそばにいる人たちはセーターやスカートなど現代の普段着で暖炉に火をくべたりしているのが、普通のようでいて余計に奇妙に感じるような。
少女の独特な表情に加えて、暗く美しい色彩とデフォルメされた構図が目を惹き付けて離さない。

そして節子夫人を描いた作品の数々が素晴らしかった。
中でも印象深かったのが若き日の夫人を鉛筆でデッサンしたもの。
それまでの展示で見てきた人物画のどれとも違う優しく美しいデッサンで、バルテュスがいかに節子夫人に心奪われていたのかが伝わってきた。



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単紬に絽綴れ帯。

正面も撮ってもらったのだが、後で見てみると自分の着付けが余りにもひどかったので後ろ姿だけ載せてみる。
と言っても、後ろ姿も難点あるのだが。
お太鼓のタレがちょっと長いし下半身はぼっこり、背中にもたるみが。襦袢の袖も見えてない。
うーん練習、練習。

この数日は天候不順で、天気予報を見るたびに気温や降水確率がコロコロ変わるので、何を着るべきか当日朝まで悩みに悩む。

気温があまり上がりそうにない上に雨模様なので私の白っぽい麻きものは相応しくないように思えて、あれこれ悩んだ結果、薄手で雨に比較的強そうなツルッとした単衣紬にした。
帯は最近手に入れた難ありセールの絽綴れ帯。

単衣紬の上に雨コートも着ていたのだが、少々蒸し暑さは感じつつも過ごしやすくて助かった。
麻を着ていればもっと涼しかっただろうが、9月初旬から更衣のルールを守っているという安心感は意外に大きく(小心者なので…)、また着物が透けないので襦袢の裾丈を気にしなくていい気楽さもあって、身体と気持ちのトータルでは快適な一日だった。

でも来場者の中には淡い色の麻着物の人や、浴衣を着ている人もいらして、みなさん軽やかな着こなしだった。
ご一緒したお友達は洋服だったが、着物を着るなら麻の予定だったとか。
別に誰かに咎められるわけではないのだから、普段着なら9月初旬ぐらいまでは麻着物を堂々と着ればいいのよね。とりあえず「菊の節句である重陽までは夏物OK」のマイルールを作ろうか…



※記事中、バルテュスのことをバルデュスと表記していたので全て訂正しました(9/6)
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by Medalog | 2014-09-05 11:01 | きもの | Comments(6)

大阪在住主婦の、のんびりメダカ飼育と着物を楽しむ日記です      


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