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しつけ糸

茶道教室に、寸法直しした義母の黒地小紋を着てみることにした。

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去年の夏に仕上がっていたのにまだ袖を通していないのだ。
着物を着る回数が少ないこともあるが、柄が可愛らしいので思い切りがつかなかったのも理由。
でも和のお稽古なら「お下がりなんで着てきちゃいました」というノリで可愛い柄の着物も着やすい気がする。

それに、この着物には上前の膝の部分に擦れた痕があったとのことで、もしかしたら義母も茶道のお稽古や茶席で着たことがあるかも?と思うとさらに着る理由づけになる。

帯は締めやすさと色合わせのしやすさから、無難な白地に菊模様の自作・作り帯。
小物は八掛の色に近い青緑系でまとめてみた。
何度も見て目が慣れてきたせいか、小物を地味にまとめればさほど可愛すぎることもない気がする。



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しつけ糸を解くたびに、その美しい仕事ぶりにうっとりしてしまう。
後から絶対に解かれてしまうものなのに一目一目が揃っていて、裾のあたりにはこのような美しい仕上げが。
職人魂だなあ。



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技が素晴らしすぎて、糸の端が見つけにくいこともしばしば。
このように表地と裏地の間に結び目が見つけられて、布や糸に全くストレスをかけることなくスーッとしつけ糸を抜けた時の気持ち良さ!
でもなかなか見つからなくて、着物のどこかに糸の端っこを残したまま表地の上でパチンと切ってしまうことも…
間違えて本来の縫い糸まで切ってしまうよりはいいと思うが、正しいしつけ糸の解き方があるのなら知りたいな。



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今回驚いたのは、内揚げの部分に丁寧なぐし縫いが施されていたこと。

ぐし縫いといえば格の高い着物に施されるものと思っていたので、最初に見た時は小物が黒地なこともあって「え、黒留袖?」と頭が混乱した。
やわらか物をほとんど持っていないのでわからないが、格とは関係なく柔らかい布地を支えるために小紋にも入れるものなのかな?

着てしまえば見えないところなので、余計に「わざわざ入れてくれた」というありがたさが募る。
一回でも多く着る機会を増やさないと、もったいないですね。


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by Medalog | 2017-11-07 17:27 | きもの | Comments(0)

シミのある色無地を黒無地に染めてみた

義母が残した着物をあれこれ仕立て直して大分経ったが、今回の着物が最後の一枚になるだろうか。

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一ツ紋の色無地。
桜色か撫子色か?薄いピンク色で、百合の花が地紋で織り出されている。
そしてよく見ると銀糸が織り込まれているが、地色が薄いのであまり目立たない。

この着物は義母の他の着物と同じく寸法が小さすぎるし、色が可愛らしすぎる。
そして何より全体に茶色いシミ汚れが浮き出てしまっていて、濃い色を掛けなければくりまわしは無理だろう。

このように状態のよくない着物なので何度も処分しようとしたが、出来なかった理由のひとつは、背中に入っている女紋。
この着物を仕立てて義母を嫁に送り出したであろう、私も会ったことがある義母の母や姉の顔が浮かんでしまってどうしても捨てられなかった。
さらに、地紋の百合は生前義母が一番好きだった花なのも気に掛かる。

そしてもうひとつの理由は、布地がやや厚手でとてもしっかりしていること。
これだけしっかりした正絹の布を捨ててしまうことがもったいなくて、最後の最後まで捨てずにいたのだ。



さて、これをどうするか。
シミを隠すには濃い色をかけるしかなく、一番確実な色は黒だろう。
黒色を掛けて、銀糸まで染まってしまえば百合の地紋があるだけの無地の布になり、何にでも使える布になりそうだ。
銀糸が染まらずに残れば、地色が黒になるので銀糸とのコントラストが強くなり、少々派手めの布になるかもしれない。
その時はスカートやワンピースなど、ちょっとおしゃれをしたい時の洋服に仕立て直せるのではないか?
もしくは洋装で結婚披露宴に出席する時のドレスもいいかも。布地があれば、仕立て代だけならそれほど高い出費にはならないと思うので、60代ぐらいまで着られるようなゆったり目(ここが大事・笑)のドレスがあればとても安心な気がする。



とにかく黒に染めた実物を見ないとその先のイメージが湧かないので、自分で着物を解いて洗い張りと無地染を業者さんにお願いした。
紋は残さずに黒く。銀糸は染まっても残ってもどちらでもいいです、と伝えた。

そして、とうとう仕上がってきた!
さあ、どんな布に生まれ変わっただろうか?



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記事にしておいて申し訳ないが、写真がうまく撮れなくて布の状態がお伝えできない…

なので口で説明すると、白く見えるのは下の紙が透けているのではなく、すべて銀糸である。
そう、ラメ感がかなり強く、地紋の百合が今まで以上に目立つ派手な布地に生まれ変わったのだ。

染める前の予想で、おそらく銀糸は染まらずに残り多少は派手になるだろうと思っていたが、想像のひと回り上をいった感じだ。

この布を全体に使ったら、長着にしろワンピースにしろかなり華やかな仕上がりになるだろう。
特に長着は着物上級者でないと着こなせそうにない感じ。私は無理だ。
ワンピースであれば、一部に無地の布を使ったりすればいけるかも…?



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写真では分かりづらいが、布の表と裏でラメ感がちょっと違う。
右半分は表で、平織りの部分がラメで百合の花は黒く浮き出ている。
左半分は裏で、平織りの部分は黒く百合の花がラメになっている。
表と裏を組み合わせたら、変化があって面白いかも。



この生地が手元に来てから何度か見返したが、見るたびに目が慣れていく感じはある。
今は「派手だなあ」と思っていても、いずれ「これで服を作ろう」と思うようになるかもしれない。
いつか何かに生まれ変わったときには、また記事にしたいと思います。

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by Medalog | 2017-11-01 18:13 | きもの | Comments(4)

着物の寸法…

去年の夏に縫い目が切れてしまった、頂き物の紗?の着物。

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ほつれた場所を解いてみたら布端にロックミシンがかかっていた。
もしかしたらこれは正絹ではなく化繊なのかな?
だとしたら、この着物を今後どうしよう?
と悩んで、丸一年。

もし化繊なら水に強いだろうから羽織りものにすればいいと思ったが、すでに黒い紋紗の道行を持っているので同じようなものを2枚はいらない気がする。
それになにより、この生地が軽くて涼しくてシワになりにくいので結構気に入っている。



丸一年悩んだ結果、やはりもう一度長着に仕立てようと決めて悉皆業者さんに持ち込んだ。

布端を見せて「これは化繊でしょうか?」と聞くと、
「いえ、正絹の紗ですよ。仕立てる都合上このような加工をしたのでは」とのこと。
やったー!正絹の紗だ!
もしも化繊なら洗い張りにお金をかけるのもどうかと思っていたが、正絹なら洗い張りも長着への仕立て直しも躊躇なくお願いできる!



そこで「寸法はどうしますか」と聞かれ、寸法表を忘れてきたのであとでメールすることにして帰宅したのだが、そこでふと考えてしまった。

最後にプロに採寸してもらってから、何年経つだろうか。
おそらく最後の採寸から10年近く経ってるかも?
その間に恥ずかしながら数キロ太っているのだ。
裄はともかく、前幅や後ろ幅はその時のままで大丈夫かしら…

ちょっと悩んだが今までの着物が明らかに小さくなったとは感じていないし、素人が勝手に寸法を水増しするのも怖いので、結局10年前の寸法で頼んでしまった。



着物は多少の体型の変化は呑み込んでくれるものだけれど、着姿はどっしりとした感じに変わってしまう。
10年前の体重に戻せるものなら戻したいのだけどね…
見た目と健康の両面から、なんとか少しでも戻して、来年の夏にこの紗の着物をスッキリ着られるように頑張らないといけませんね。
できるかなあ。

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by Medalog | 2017-09-13 18:28 | きもの | Comments(2)

振袖

昨日は成人の日で、大阪市内でも振袖姿の若い女性をたくさん見かけた。

毎年成人式の女性を見る機会があるわけではないが、少し前よりも色味や柄が古典的で上質なものが増えたように感じる。
そしてそういう振袖が、若い女性たちによく似合うこと!
着姿を見ているこちらも華やかな気持ちになれるし、着ている本人たちも気分が高揚しているのがわかって微笑ましい。
この日に振袖を着た女性たちが、今後自前のものでもレンタルでもいいから「また着たいな、着よう」と思ってくれたらいいな。



前にも書いたかもしれないが自分は成人式の日に振袖を着なかった。
当時は全く後悔しないどころか「振袖なんで無駄遣いじゃん」などと思っていたのだが、今になって惜しいことをしたと思う。
こればかりは今から着るわけにはいかないものね…

もしも、万が一、パーティーやらカラオケ大会出場やらで振袖を着る機会ができたとしても、肌のハリとツヤが圧倒的に足りないわ。
舞台衣装で振袖を着こなす演歌歌手の方などは、実際に見たらきっとものすごく肌がきれいで華やかなオーラを放っているんだと思う。
街中で某大物演歌歌手の女性を見たという友人が、まず後ろ姿から強烈なオーラを放っていて、振り向いたらさらにすごくてテレビで見るよりずっと華やかできれいだった!と昂奮していたのを思い出す。

とても真似できることじゃないけれど、紬を着るときだって肌の調子がいいに越したことはないので、せめて朝晩の化粧水と乳液を少し多めにつけることにしよう。

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by Medalog | 2017-01-10 10:46 | きもの | Comments(2)

切らない作り帯

切らない作り帯が仕上がってきたので、ご紹介を。

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お太鼓は仕上がりの形に縫い止められている。
前帯は左側に伸び、途中で折り返して右側から手先をお太鼓に差し入れ、左側に手先が少し出ている状態で縫い止められている。
お太鼓の右下と、前帯の折り返した部分の下側に、それぞれ紐が縫い付けられている。

この帯は六通なので柄だしの指定はしなかったが、お太鼓の下とたれの部分の柄がきちんと合わせてあった。
またお太鼓の大きさは自分好みに指定できた。
見本の作り帯のお太鼓の大きさがちょうど良かったので「これと同じぐらい」と注文した。



帯の巻き方はみなさん想像がつくと思うが、一応写真に収めてみた。
自分に巻くと写真がうまく取れないので、クッションに巻いてます。

d0048332_16404779.jpgお太鼓に帯枕と帯揚げを通して背中に背負い、帯枕の紐を締めて背中に固定する。

写真は帯枕の紐だけで帯を支えている状態。

左に垂れ下がっている前帯の重さも帯枕の紐だけで受け止めているので、立ったまま紐を締めるのは結構大変だ。

ひざまずいて前帯を床につけた状態にして、背中が床と平行になるようにすると、前帯の重さがなくなるので帯枕の紐を締めやすかった。

前帯を椅子などに乗せるのもいいかも。

d0048332_16435385.jpgしっかり固定できたら、左に垂れている前帯を前から右に回して、背中とお太鼓の間を通して左側まで巻く。

簡単な作業だが、この時点でぎゅっとしっかり巻くのは結構難しい。

慣れれば大丈夫かな。

この時点でも、支えているのは帯枕の紐のみ。

d0048332_16435828.jpg左側まで回すと、紐が左右の下側に垂れるので、それを持って少しずつ左右に引き締めていく。

ぎゅっぎゅっと交互に引き締めていくうちに、結構しっかり前帯を締めることができた。

d0048332_16440328.jpg(投げやりな写真ですみません)

左右に引っ張って引き締めた紐は、前に持ってきて帯の下で結び、帯の中に入れ込む。

ここまでくると帯は安定しているので、帯枕を締め直したり帯揚げを整えるのも、帯紐を締めるのも楽になる。



というわけで、帯結びが非常に簡単な作業になった。

クッションに巻いたあとで、この帯が五十肩でも本当に締められるのか自分でも試してみた。
帯枕と帯揚げをお太鼓に通した状態で、スタート!
一度クッションで予習をしたこともあり、すいすいと進む。
鏡でお太鼓の柄や形を確認する必要もないので、あっという間に終了。
なんと、帯揚げを整え帯締めを締めるまで5分もかからない!
これは使える!

ただひとつ思ったのは、帯を縫い止めなくてもクリップで一番上の写真の状態に固定することができれば、似たような着付けはできそうだ。
実際にそのような着付け方法をネット動画で見たこともある。
でもお太鼓や左右の紐がしっかりと縫い付けられていることによる安定感・安心感は抜群だ。
もしも「帯が締めにくいから着物を着る機会が減った」という方がいらっしゃるなら、切らずに作れる作り帯を一本お試しになったらいいと思う。



ちなみにこの帯を選んだ理由は、厚みと重さがあるので、五十肩だと普通の巻き方ではしっかり体に巻くのが辛いと思ったから。
薄手の八寸帯なら多少力が入らなくてもなんとか締められそうだが、この帯はそうはいかない。

そうやって厚手の帯を選んだせいもあるだろうが、収納が少々かさばるのが難点ではある。
前帯におかしな折り目を作らないためには、収納時のたたみ方はほぼ決まってしまって工夫のしようがない。今までの2倍ほどの厚みになってしまう。
今回この帯を仕立てただいやすさんでは作り帯用の収納箱も別売していたが、我が家ではその箱を置く場所がないので今まで通り畳紙に包んでタンスに入れている。
今後作り帯が増えたら、収納のことも考えないといけないかも。

費用は掛かったが納得の仕上がりと使い心地だったので、頼んで良かった。
長さが足りなくて困っていた帯があるので、今回の帯を参考にして自作の切らない作り帯も作ってみようと思う。
でも普通の縫い針で、芯が入ったお太鼓に針が通るのかな…?


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by Medalog | 2016-12-09 18:01 | きもの | Comments(8)

五十肩だから

五十肩のような症状があり、普通にしていれば痛みはないが、左腕を無理に動かすと痛みがあったり、今まで左の肩に掛けていたバッグが少々辛く感じるようになってきた。

私は人よりも持ち物が多いのか、「今日は最低限の持ち物で出かけよう」と思ってもなかなかバッグの中身を減らせない。
もちろんバッグ自体も軽いものを選んでいるつもりだが、それでも重くなってしまう。
五十肩の側の肩にかけると痛い。
反対側の肩に掛けるとズリ落ちてくる。
斜め掛けにするとバッグが重たいせいでショルダーストラップが胸のあたりにぐいっと食い込んでしまうのが気になる。

で、リュックを買ってみた。



若い頃は、リュックを愛用していた。
懐かしのCOACHの皮革の小ぶりなリュックから(ブームになったPRADAは持ってなかったな)スポーツブランドのごついタイプまでいくつか持っていたのだが、結婚してからは買ったことも使ったこともない気がする。

アウトドア系の趣味もないし、子育ての経験があればマザーズリュックが必須だろうがそれもないので、かなり久しぶりにリュックを探すことになった。



今の自分に縁がないものを探すのは、結構面白い。
バッグなら用途に合わせて「これが好き」「これが妥当かな」と判断がつくのに、リュックだと急にそれがわからなくなったり。

私はポケットがたくさんついているような機能性が高いバッグが好きなので、スポーツブランドやアウトドアブランドのものがとても気に入ったのだが、普段の洋服にはちょっと合わないので今回はパス。

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結局、若い子向けのお店でシンプルなタイプを買った。

ポケットが一つしかないのが物足りないが、とても軽いのと、日本製だというのが気に入った。

店員の若い男性はとてもおしゃれだが真面目そうな子で、私が「こんなおばさんが使っても似合うかしらー」と言ったときに一瞬言葉が詰まったのが可愛いかった。
答えづらいことを聞いてごめんね…。
店員さんが返答に困ることは言わないように気をつけないと!

早速バッグの中身を入れ替えてみると、今まで肩掛けバッグで重たいと思っていたものがリュックになると全然重たく感じない。
今までは近所でのウォーキングのときにも荷物を減らせなくてバッグに悩んでいたのだが、これならウォーキングからショッピングセンターでの買い物ぐらいまでは使えそうだ。
気に入ってしまったので、そのうちにタイプの違うリュックを買い足してしまいそうな気がする…



前回の記事 で、五十肩だから帯を切らずに作れる作り帯もいいかなと書いたのだが、それを読んだかのようなダイレクトメールが来た。

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まさに、これ!

今までは「わざわざ作り帯にする必要なんてあるのかなあ」なんて思っていた作り帯が、今の私にはとても魅力的に見える。

こちらの店で買った帯を一本、作り帯に仕立ててもらってみようかな。
それを見れば、手持ちの他の帯を自分で作り帯にすることもできそうだし。

来月のフェアーなので、仕立てることになったら出来上がりをお見せしますね!

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by Medalog | 2016-09-29 12:54 | 生活 | Comments(6)

お茶会の着物(が、大変なことに…)

前回の記事 で、初めてのお茶会の経験談を書いた。

京都御苑内の、拾翠亭という江戸時代後期に建てられた貴重な建物の茶室で、眼前の池を眺めながら夏の茶会を楽しむ…。
誠に優雅な状況だが、そこで私は「初のお茶会に参加している」という緊張とは全く別の緊張とも戦っていた。

それは、
着物のお尻部分の背縫いが破けている!という
とんでもない状況。



朝、京都駅へ向かう電車内。
席が確保できてホッとして腰を降ろした瞬間、お尻の辺りで「プチプチプチ」というわずかな音が。
恥ずかしながら過去にも経験があるので、お尻の背縫いの糸が切れてほつれたことがすぐに分かった。

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この日の着物。拾翠亭にて。
黒地に青い松葉が小さく散りばめられた紗小紋に、絽綴れの帯。
茶会に誘ってくれたお友達からは「麻でいいのでは」と言われていたのだが、麻はシワになりやすいため茶室で慣れない正座を繰り返したら下半身がぐちゃぐちゃになりそうなのが怖い。
その点この紗小紋は全くと言っていいほどシワにならないのと、こういう機会でもなければ夏に正絹の着物を着る機会がないので、実に久しぶりに引っ張り出したのだった。

この紗小紋は頂き物で、いただいた時点でかなり古いものだった。
古くても生地がピンとしていて全く傷んだ様子がないのでまさか縫い糸が弱っているという可能性は考えてもいなかったのだが、いざ着付けて外出したら、出先でお尻が破れるという最悪の事態になってしまったのだ。
しかも、黒い着物の下は真っ白な長襦袢。自分からは見えないが、おそらく非常に目立つ状態になっている筈…

一瞬、頭が真っ白になるが、とりあえず目的地へ向かうしかない。
不幸中の幸いだったのは大きめのストールを持っていたこと。
京都駅に着いてからはストールを羽織り、お尻が隠れるように不自然に垂らしながらなんとかランチのお店へたどり着く。
お友達には申し訳ないがランチを少し早めに切り上げて、以前買い物をしたことがあるが顧客とは言えない呉服店に駆け込んで、図々しくも着物を着たままお尻部分を黒い糸で縫い止めていただいてしまった。
(後日お礼のハガキを出したけれど、いずれまた立ち寄って小物でも買わせてもらおう)

その後に京都御苑の拾翠亭へ行き、人生初のお茶会に参加したのだった。
縫い止めていただいた部分は安心だろうがその上下の部分はいつ縫い目がはじけるかわからない状態の中で、何度も正座をしたり移動しなければならない緊張感と、初めてのお茶会へ参加する緊張感。もうなにがなにやら。
ありがたいことにお茶会の最中はそれ以上縫い目が破れることはなく、縫っていただいたお店の方に心から感謝した。

お茶会のあとは、とある帯問屋さんの催事に行かせていただく。
この時にはお茶会の緊張からもお尻の縫い目が破ける心配からも解放されていて、普段見る機会がないような素晴らしい帯をたくさん見て心から楽しめた。
一通り拝見した帰り際に、畳にあった着付け用の腰紐をまたぐのは失礼かと思って立ったまま拾おうとした、その時。

今度は左の脇縫いが音を立てて破けたぁ!
う、嘘でしょぉぉぉ…

左脇縫いの太ももの部分が20cmほど破れたのを見て唖然としてしまうが、お尻の糸が弱っていれば当然他の場所の糸も弱っているわけで、お尻がしっかり補強されたために今度は他の弱い部分が切れてしまうのは仕方がないのかもしれない。
ただ幸いなことに手を横に下ろすと隠れる位置だったこともあり、手に持ったバッグとショールでなんとか隠しながらも祇園祭の鉾を楽しく見物して、左脇を隠しながら電車とバスを乗り継いで帰宅した。



古い着物は何枚も持っているし、着るのも好きだけれど、状態を常に把握していないととんでもないことになるということを身を以て実感した。
かといって糸が弱っているかどうかをどのように確認すればいいのか…
確認のために無理に引っ張って、問題なかった糸を引きちぎってしまうのも嫌だし。
最低限の策としては、古い着物を着る時には常に大きめのショールか腰まで隠れる羽織ものを持ち歩くことにしよう。

本当なら古い着物は全部洗い張りして仕立て直してもらって、安心して気持ちよく着たいところだけれど、やっぱり費用が問題になる。
自分で補強するのも、シルエットに響かないか心配だし…
また悩みが一つ増えてしまった2016年の夏です。
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by Medalog | 2016-07-21 10:47 | きもの | Comments(2)

初めての大寄せ茶会

祇園祭の時期、京都ではきもの関係の催事も多く、毎年ではないが夏にきものを着る機会があるのは暑いけれど楽しい。
今年は、なんと大寄せのお茶会に参加する機会をいただいた。
私は茶道の経験は一切ないが、一度は参加してみたかったので喜んでお誘いを受けた。

茶道にはすこーし興味があり、テレビで茶道について取り上げている番組を見るのは好きだし一時は茶道教室の検索もしていたのだが、結局習うには至っていない。
だから全くの素人なので、大寄せとはいえ何をどうすればいいのかほとんど知識がない。
懐紙などは貸していただけるということだったが、着物で行く予定なので扇子だけは買ってしまった。

あとの内容はネットで確認して最低限の内容を頭に入れるが、当日それを思い出せるのか、また思った通りに体が動くのかは全く自信がない。
とにかく御亭主や他の皆様を不愉快にさせないように気をつけようと心に決め、緊張しながら当日を迎えた。



当日はお友達とランチのあと、会場である京都御苑の拾翠亭へ。

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拾翠亭は以前にお茶会でなく観光として入ったことがあり「こんな雅な場所でお茶会をするなんて私には縁がないけど憧れちゃうなー」なんて思っていたものだが、まさか数年後のお茶会デビューが京都御苑の中にあるこの茶室になるとは!
私は幸せ者だ。

お友達の後ろにくっついて寄付に入る。
どうやら私以外の方々は茶道の心得がおありのようで泰然と構えていらっしゃるが、私はここでどのように振る舞えばいいのかもよくわからずアワアワしているうちにすぐ席入りになった。
にじり口でなく普通の襖のところから入れるのには安心したが(にじり口から上がる作法は予習したが実践できる自信は全くなかったので)、それでも緊張する。
扇子を置いて一応お辞儀をし、敷居や畳の縁を踏まないようにとギクシャクしながら中に入ると、他の方々が掛け軸やお花を拝見なさっているので見よう見まねで自分も拝見。
本当であれば入室〜お道具拝見〜着席の間にも通るべき動線があるのだろうが、もうそれは訳がわからず、お友達に誘導されながら着席した。

まもなく和菓子が回ってくる。
大きめに切られたういろうのようなお菓子で、重たいのと緊張でなかなか箸に取ることができない。
どうかお菓子を畳に転がしませんように…と念じながらなんとか懐紙に取り、箸の先を拭くことは忘れなかったが箸の持ち方にまでは気が配れず、次の方にお菓子鉢を回すまでにどれだけのマナー違反をしたのか自分でもわからない。

お菓子をいただいたあとはいよいよ薄茶をいただく。
こちらも緊張のあまり、お茶碗をずらすためにちゃんと回したか、いただいたあと縁を指で拭ったか、最後に正面に向けてお椀を置けたのかなどをよく覚えていない有様…。
その後お道具の拝見を見よう見まねで行って終了。
しばらくしたら次の席にご案内いただき、もう一服頂戴した。

緊張したけれど、ご正客をはじめとしたお客様たちがざっくばらんな雰囲気を作ってくださっていたので思っていたよりは居心地がよく楽しませていただいた。
お点前をなさる方々が浴衣で、ご参加の皆様も浴衣や上布などを着ていらしたので、比較的緩やかな会だったのだろうか。それも私には有り難かった。
御亭主はお若い方で、茶道のたしなみがない私から見ても斬新なアイディアで迎えていただいて、お道具拝見も楽しかった。

ただ、ご一緒した皆様が私の素人ぶりを不愉快に思わないでいてくれたら有り難いのだけれど。
緊張のあまり、寄付で脱ごうとしていた足袋カバーのことをすっかり忘れていて、履いたままお茶をいただいてしまったのもどなたかお気づきになったかしら…。
またいつか機会があったら、もう少し作法を身につけて、リラックスして臨めるようにしたい。
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by Medalog | 2016-07-20 11:40 | きもの | Comments(6)

きものモダニズム

六本木で開催中だった「きものモダニズム」展を期間終了ギリギリに見ることができた。

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9月にブログで 義母のお下がり着物が銘仙かも? という記事を書いたときに、この展示があるのを知って是非とも行きたかったのだが、その後法事で帰省した際には東京まで足を伸ばせず半ば諦めていた。
しかしそのあと会期ギリギリにまた帰省する用事ができたので、今度こそはと一人で出かけてきたのだ。

六本木一丁目駅を利用するのは初めて。
駅も周辺も歩く人々も、新しくて綺麗でお洒落な雰囲気だわー。

この日は雨。
駅から泉屋博古館分館までは直結ではないが、エスカレーターを乗り継いで行けばほとんど濡れずに辿り着く仕組みだった。今回私は洋服だったが、これなら着物でも楽に行くことができるな。
実際に会場には着物姿の方がとても多かった。
シックな着物姿の方もいたが、銘仙着物に銘仙の羽織を重ねて髪飾りも小物も思い切りPOPに楽しんでいるような10代〜20代の若い方々がたくさんいらして、ちょっと驚いたほど。

展示されている銘仙は、色も柄もとても自由で大胆で、見ていて胸がすく思い。
着物いっぱいに幾何学模様、バラやチューリップなどの花、動物などが描かれる迫力は、布面積の少ない洋服では敵わないものだろう。
この色柄使いをそのまま自分に取り入れることはできなさそうだが、今後年を重ねてもこのような明るいパワーや遊び心を忘れたくないと思ったし、POPな長襦袢の一枚ぐらい増やしてもいいかな、なんて物欲が出てきたり(笑)。

展示の最後には、古い銘仙の復刻版を作る作業が映像で流れていた。
銘仙は普段着の着物として大量生産されたようなイメージがあるが、先染めなのでかなりの手間が掛かっているようだ。
いま銘仙を再生産してもどれだけの需要があるのかはわからないが、こうやって技術を残してくれているのを見るとなんだか嬉しい。



東京で開催されている銘仙の展示を是非とも見たかったのは、ただ綺麗な着物が見たかったこと、最近は着物を着る機会をなかなか作ろうとしない自分にパワーを注入したかったこともあるが、やはり「義母の市松着物は銘仙なのかどうか」を確認したかったということが大きい。
だから展示品の色柄だけでなく質感もできるだけしっかり見たつもり。

その結果「義母の着物はおそらく銘仙だろうな」と納得した。
確信とまではいかなかったのだけど、ほぼ間違いないはず。

銘仙であろうがなかろうが着物の価値に変わりはないが、「銘仙だ」と思うといつもより少し明るめ、派手めのコーデがしたくなるのは私にとっては嬉しいことなのだ。
さあ今年のうちにもう一回着物を着られるかな。どの着物にしようかな〜。
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by Medalog | 2015-12-07 10:32 | 生活 | Comments(2)

お下がり羽織を洗ってみた

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義母のウール着物を整理していたら、同じ箱の中にこの正絹の羽織が入っていた。

他の正絹着物は虫がつかないように他の場所に移してあったのだが、この羽織は寸法が小さい上に全体的にシミが浮き出ていて捨てるしかないと諦めていたので、ウールと一緒にしまいこんでいたのだ。
でも、色柄は好みなのよね…。

そこで、失敗を覚悟で自分で洗ってみることにした。

着物を解いて水に浸けると、紫色の染料がどんどん溶け出してくるが、肝心のシミはやはり取れない。
そりゃそうだよね。素人の水洗いで数十年モノのシミが取れたら何の苦労もないもの。
このままでは捨てるしかないので最後に思い切って漂白剤を入れてみたら、布の模様が一部にじんでしまい、おまけにただでさえ小さかった布幅がさらに縮んでしまったようで万事休す。

結局は、処分することになってしまった。
ただ教訓として、シミを取りたくても漂白剤は使うべきではないと学んだかな。
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by Medalog | 2015-11-26 14:18 | きもの | Comments(2)

大阪在住主婦の、のんびりメダカ飼育と着物を楽しむ日記です      


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