カテゴリ:きもの( 320 )

お茶会の着物(が、大変なことに…)

前回の記事 で、初めてのお茶会の経験談を書いた。

京都御苑内の、拾翠亭という江戸時代後期に建てられた貴重な建物の茶室で、眼前の池を眺めながら夏の茶会を楽しむ…。
誠に優雅な状況だが、そこで私は「初のお茶会に参加している」という緊張とは全く別の緊張とも戦っていた。

それは、
着物のお尻部分の背縫いが破けている!という
とんでもない状況。



朝、京都駅へ向かう電車内。
席が確保できてホッとして腰を降ろした瞬間、お尻の辺りで「プチプチプチ」というわずかな音が。
恥ずかしながら過去にも経験があるので、お尻の背縫いの糸が切れてほつれたことがすぐに分かった。

d0048332_10273758.jpg
この日の着物。拾翠亭にて。
黒地に青い松葉が小さく散りばめられた紗小紋に、絽綴れの帯。
茶会に誘ってくれたお友達からは「麻でいいのでは」と言われていたのだが、麻はシワになりやすいため茶室で慣れない正座を繰り返したら下半身がぐちゃぐちゃになりそうなのが怖い。
その点この紗小紋は全くと言っていいほどシワにならないのと、こういう機会でもなければ夏に正絹の着物を着る機会がないので、実に久しぶりに引っ張り出したのだった。

この紗小紋は頂き物で、いただいた時点でかなり古いものだった。
古くても生地がピンとしていて全く傷んだ様子がないのでまさか縫い糸が弱っているという可能性は考えてもいなかったのだが、いざ着付けて外出したら、出先でお尻が破れるという最悪の事態になってしまったのだ。
しかも、黒い着物の下は真っ白な長襦袢。自分からは見えないが、おそらく非常に目立つ状態になっている筈…

一瞬、頭が真っ白になるが、とりあえず目的地へ向かうしかない。
不幸中の幸いだったのは大きめのストールを持っていたこと。
京都駅に着いてからはストールを羽織り、お尻が隠れるように不自然に垂らしながらなんとかランチのお店へたどり着く。
お友達には申し訳ないがランチを少し早めに切り上げて、以前買い物をしたことがあるが顧客とは言えない呉服店に駆け込んで、図々しくも着物を着たままお尻部分を黒い糸で縫い止めていただいてしまった。
(後日お礼のハガキを出したけれど、いずれまた立ち寄って小物でも買わせてもらおう)

その後に京都御苑の拾翠亭へ行き、人生初のお茶会に参加したのだった。
縫い止めていただいた部分は安心だろうがその上下の部分はいつ縫い目がはじけるかわからない状態の中で、何度も正座をしたり移動しなければならない緊張感と、初めてのお茶会へ参加する緊張感。もうなにがなにやら。
ありがたいことにお茶会の最中はそれ以上縫い目が破れることはなく、縫っていただいたお店の方に心から感謝した。

お茶会のあとは、とある帯問屋さんの催事に行かせていただく。
この時にはお茶会の緊張からもお尻の縫い目が破ける心配からも解放されていて、普段見る機会がないような素晴らしい帯をたくさん見て心から楽しめた。
一通り拝見した帰り際に、畳にあった着付け用の腰紐をまたぐのは失礼かと思って立ったまま拾おうとした、その時。

今度は左の脇縫いが音を立てて破けたぁ!
う、嘘でしょぉぉぉ…

左脇縫いの太ももの部分が20cmほど破れたのを見て唖然としてしまうが、お尻の糸が弱っていれば当然他の場所の糸も弱っているわけで、お尻がしっかり補強されたために今度は他の弱い部分が切れてしまうのは仕方がないのかもしれない。
ただ幸いなことに手を横に下ろすと隠れる位置だったこともあり、手に持ったバッグとショールでなんとか隠しながらも祇園祭の鉾を楽しく見物して、左脇を隠しながら電車とバスを乗り継いで帰宅した。



古い着物は何枚も持っているし、着るのも好きだけれど、状態を常に把握していないととんでもないことになるということを身を以て実感した。
かといって糸が弱っているかどうかをどのように確認すればいいのか…
確認のために無理に引っ張って、問題なかった糸を引きちぎってしまうのも嫌だし。
最低限の策としては、古い着物を着る時には常に大きめのショールか腰まで隠れる羽織ものを持ち歩くことにしよう。

本当なら古い着物は全部洗い張りして仕立て直してもらって、安心して気持ちよく着たいところだけれど、やっぱり費用が問題になる。
自分で補強するのも、シルエットに響かないか心配だし…
また悩みが一つ増えてしまった2016年の夏です。
[PR]
by Medalog | 2016-07-21 10:47 | きもの | Comments(2)

初めての大寄せ茶会

祇園祭の時期、京都ではきもの関係の催事も多く、毎年ではないが夏にきものを着る機会があるのは暑いけれど楽しい。
今年は、なんと大寄せのお茶会に参加する機会をいただいた。
私は茶道の経験は一切ないが、一度は参加してみたかったので喜んでお誘いを受けた。

茶道にはすこーし興味があり、テレビで茶道について取り上げている番組を見るのは好きだし一時は茶道教室の検索もしていたのだが、結局習うには至っていない。
だから全くの素人なので、大寄せとはいえ何をどうすればいいのかほとんど知識がない。
懐紙などは貸していただけるということだったが、着物で行く予定なので扇子だけは買ってしまった。

あとの内容はネットで確認して最低限の内容を頭に入れるが、当日それを思い出せるのか、また思った通りに体が動くのかは全く自信がない。
とにかく御亭主や他の皆様を不愉快にさせないように気をつけようと心に決め、緊張しながら当日を迎えた。



当日はお友達とランチのあと、会場である京都御苑の拾翠亭へ。

d0048332_10564531.jpg
拾翠亭は以前にお茶会でなく観光として入ったことがあり「こんな雅な場所でお茶会をするなんて私には縁がないけど憧れちゃうなー」なんて思っていたものだが、まさか数年後のお茶会デビューが京都御苑の中にあるこの茶室になるとは!
私は幸せ者だ。

お友達の後ろにくっついて寄付に入る。
どうやら私以外の方々は茶道の心得がおありのようで泰然と構えていらっしゃるが、私はここでどのように振る舞えばいいのかもよくわからずアワアワしているうちにすぐ席入りになった。
にじり口でなく普通の襖のところから入れるのには安心したが(にじり口から上がる作法は予習したが実践できる自信は全くなかったので)、それでも緊張する。
扇子を置いて一応お辞儀をし、敷居や畳の縁を踏まないようにとギクシャクしながら中に入ると、他の方々が掛け軸やお花を拝見なさっているので見よう見まねで自分も拝見。
本当であれば入室〜お道具拝見〜着席の間にも通るべき動線があるのだろうが、もうそれは訳がわからず、お友達に誘導されながら着席した。

まもなく和菓子が回ってくる。
大きめに切られたういろうのようなお菓子で、重たいのと緊張でなかなか箸に取ることができない。
どうかお菓子を畳に転がしませんように…と念じながらなんとか懐紙に取り、箸の先を拭くことは忘れなかったが箸の持ち方にまでは気が配れず、次の方にお菓子鉢を回すまでにどれだけのマナー違反をしたのか自分でもわからない。

お菓子をいただいたあとはいよいよ薄茶をいただく。
こちらも緊張のあまり、お茶碗をずらすためにちゃんと回したか、いただいたあと縁を指で拭ったか、最後に正面に向けてお椀を置けたのかなどをよく覚えていない有様…。
その後お道具の拝見を見よう見まねで行って終了。
しばらくしたら次の席にご案内いただき、もう一服頂戴した。

緊張したけれど、ご正客をはじめとしたお客様たちがざっくばらんな雰囲気を作ってくださっていたので思っていたよりは居心地がよく楽しませていただいた。
お点前をなさる方々が浴衣で、ご参加の皆様も浴衣や上布などを着ていらしたので、比較的緩やかな会だったのだろうか。それも私には有り難かった。
御亭主はお若い方で、茶道のたしなみがない私から見ても斬新なアイディアで迎えていただいて、お道具拝見も楽しかった。

ただ、ご一緒した皆様が私の素人ぶりを不愉快に思わないでいてくれたら有り難いのだけれど。
緊張のあまり、寄付で脱ごうとしていた足袋カバーのことをすっかり忘れていて、履いたままお茶をいただいてしまったのもどなたかお気づきになったかしら…。
またいつか機会があったら、もう少し作法を身につけて、リラックスして臨めるようにしたい。
[PR]
by Medalog | 2016-07-20 11:40 | きもの | Comments(6)

義母の小紋の仕立て替え

先日仕立て替えに出した義母の小紋 が、無事に仕立て上がってきた。

d0048332_11562198.jpg
d0048332_1156248.jpg
上がお直し前、下がお直し後。

仕立て替えの内容としては、まずは古いものなので洗い張りしてもらうこと。
裄が短いのでできるだけ伸ばしてもらうこと。
そしてピンク色の八掛を落ち着いた色に変えること、の3点をお願いした。



まずは洗い張り。
黒地ということもあって目立つ汚れはなかったのだが、古いものなので洗い張りをしてサッパリするとともに、変色した胴裏を新品と取り替えた。

ただ上前の膝のあたりの目立つ部分に少し白くなっている部分があり、これは汚れではなく生地の擦れだったとのことで、他の場所と入れ替えてもらうことにした。

d0048332_1642286.jpgd0048332_16531154.jpg

右の写真は左の写真に赤い線を入れたもの。
赤い線の部分にはハサミが入っている。
上前の擦れを他の場所へ移動するために、着付けたときに見えなくなる部分を何カ所か切断してやりくりしているのだ。

これをしてしまうと今後仕立て直しをするときに制限ができてしまうし、正直なところプラスアルファの手間賃が掛かってしまうのは厳しい。
ただ上前のスレ以外にも問題があり、この小紋は身幅は足りているが身丈が足りない状態で、普通に仕立て直すとおはしょりが出るか出ないかのギリギリの丈にするしかないが、後ろ身頃のウエスト部分にハサミを入れることで十分な寸法を確保できるとのこと。
悩んだ結果、この着物を今後羽織やコートに仕立て直すことはないし、自分には少し派手だと感じるこの小紋を自信を持って着られるように、思い切ってハサミを入れてのやりくりをお願いしてしまった。

おかげで擦れや小さなシミなどをすべて隠してもらってとても綺麗な仕上がりになり、身丈も十分な寸法になった。
費用は掛かったが私が持っている着物の中では一番細かい仕事をされている一枚になって、義母も喜んでくれていると思う。



次に裄の寸法。
お直し前の寸法は1尺6寸5分で、私の寸法である1尺7寸5分〜1尺8寸にするには最低でも3cm以上伸ばす必要がある。
だが注文時に悉皆屋さんに見てもらったら、縫い代がほとんどないので希望の寸法までは伸ばせそうにない、1尺7寸が限界かもしれないとのこと。
上の写真のようなやりくりをすれば伸ばすのは可能だが、裄に関しては切り貼りの縫い目を見えない部分には隠せない、切り貼りをデザインの一部として表に出すしかないとのこと。
見える部分に切り貼りの跡を見せたくはなかったので、裄に関しては普通の仕立てで、なるべく長くなるようにして欲しいとお願いした。

すると、仕上がり寸法はなんと希望通りの1尺7寸5分に!
頑張ってギリギリまで伸ばしてくれたのだ。
ここまで寸法が伸びてくれれば襦袢にも困らないし、羽織ものを着たり腕を縮めたりしなくても普通に着られるようになったのはとても嬉しい。



最後に八掛の色。
お直し前は可愛らしい桜色で、どう考えても着こなす自信も勇気もなかった。
私にとってはカラフルに思えるこの小紋をできるだけ着易くするために、いっそのこと地色と同色の黒八掛はどうかと思ったのだが、見本を合わせてみると雰囲気がどすんと重たくなる気がする。
そこで模様の中の一色に合わせて、青鈍色に近いブルーグレーの八掛を合わせることにした。

実際に仕立て上がったものを見ると、うーん、思い通りのようなそうでもないような…? プロの方々が勧めてくれた色でもあるので間違ったチョイスではないと思うのだけど。
なんせ小紋とかやわらかものに縁がないので、しっくりくるまでには時間がかかるかもしれないな。



八掛には未だに迷いがあるものの、総合的には大満足の仕上がりになったのでよかった。
この小紋は、母が遺した着物の中で「直せば着られるかもしれない着物」の最後の一枚で、手つかずのまま何年も箪笥に入れてあるのが気になって仕方がなかった。
だから「お金を掛けた結果もしも思い通りの仕上がりにならなくても、このまま箪笥に入れっぱなしよりはましだ」という気持ちで直しに出したのだが、満足のいく結果になってくれたのでお金をかけた甲斐があったというのも正直なところだ。

さっそく帯や小物のコーデをあれこれ考えたいところだが、この暑さでは身も心も袷の着物で遊ぶ気になれない。
この小紋には秋になるまで一休みしてもらうことにしよう。
今はどの帯がこの小紋に合うのかが想像つかないので、あれこれ合わせてみるのが今から楽しみだ。
[PR]
by Medalog | 2016-07-11 12:41 | きもの | Comments(6)

八掛の天地替え

d0048332_20342686.jpg
八掛の裾が擦り切れてしまったグレー紬。
八掛の上下を入れ替える「天地替え」を頼んでいたものが、仕立て上がった。



d0048332_8374830.jpg
ビリビリに破れた、この裾が…
d0048332_837582.jpg
こんなにきれいに!
腰の部分が上下逆になって裾になったので、新品同様の綺麗な状態になった。



d0048332_20364073.jpg
では擦り切れた裾は?というと、不要部分をカットされて胴裏の中に収まっている…のだと思う。

擦り切れた部分をカットしたら八掛は当然短くなる。
・カットしても八掛に十分な長さが残っていれば、胴裏はそのままでOK。
・八掛が足りなくても胴裏に余分な縫込みがあれば、胴裏を伸ばす。
・どちらにも余裕がなければ、胴裏を継ぎ足すので別途料金が掛かる。
そのように説明されていたのだが、胴裏を見ても伸ばした跡がないので、どうやら八掛に十分な長さがあったようだ。料金も追加はなかった。ありがたい。

直していただいた八掛の部分だけでなく、胴裏や表地までピンとして戻って来たような。
全体的にシワを伸ばしていただいたのかも。
とても綺麗な仕上がりで、満足している。



さて、気になる料金は、1万円以下だった。
もし胴裏を継ぎ足すことになったら1万円を少し超えたはず。

この料金が高いか安いかというと、私は安いのではないかと思った。



最近夫のスーツのスラックスも裾が擦り切れてしまい、普段着なら自分で直すがスーツは自信がなかったのでお直しの店に頼んだ。
(裾上げテープはビジネススーツの薄手ウールのスラックスでも自分で綺麗に直せるのかな?)
頼んだのはショッピングセンターに入っている洋服のリフォーム店で、1時間で1,000円程度で仕上げてくれるという。

1時間後に引き取りに行ってみると、ミシンを使った綺麗な仕上がりで裾の後ろ側には補強の当て布も付いている。
ただし擦り切れた部分を内側に折り込むので丈は7〜8ミリ短くなるし(事前に承諾した)、裾上げ以外の部分にアイロンをかけたりはしてくれなかった。
それでも早くて綺麗な仕上がりで、1,000円程度の料金は妥当な金額だろう。

それに比べて、八掛の天地替え。
ミシンではなく手縫いで、縫う手間と長さはスラックスの何倍もある。
工程の複雑さも段違いだ。衽も解くのだろうし。
傷んだ部分を切って丈が短くなるのではなく、お直し前と変わらぬ長さで仕上がる。
おまけに八掛以外の部分も(多分)きれいに伸してくれて、新しい畳紙に包んで、さらに今回は自宅まで配達してくれてこの価格。

毎年何枚もの着物を直すのなら大変な出費になるが、私の場合は数年に一度のことなので、十分に納得できる金額だと思えた。

この着物はグレーの無地でコーデがしやすいし、水にも強く汚れが目立たないので、袷では一番出番が多い。
だからまた数年後に八掛が擦り切れるかもしれないが、また擦り切れて今度は新品の八掛に取り替えることになったら楽しいな。
[PR]
by Medalog | 2016-05-24 12:00 | きもの | Comments(6)

ルノワール展

京都市美術館で開催中の、ルノワール展。
行きたいけれど今回も混んでいるだろうなーと思いつつ街のポスターを眺めていたが、お誘いいただき出掛けてみたら思いのほか人が少なくて、ゆっくり鑑賞できて有り難かった。

ルノワールの作品は、美しさと優しさを思い切り堪能できるのがいい。
白人女性の肌の描き方の美しさが特に好き。

d0048332_1915138.jpg
塩沢お召に博多紋織八寸帯。

以前はランチ程度の気軽なお出かけなら一年中八寸帯でもいいと思っていたが、最近はちょっと物足りなく感じることも。
それに最近は綺麗な色のものを身につけたいという気分が高まっているので、「塩沢に合う染め帯とか持ってなかったかなー」と手持ちの帯を並べてみるが、魔法のように染め帯が増えているわけもなく(笑)。

結局いつも通り八寸帯を選んでしまった。
気温がかなり上がったこともあってちょうどいい着心地だったが、ご一緒したお友達がそれは綺麗な色の染め帯を締めていたので「うーん、私が目指す着物の楽しみってこういうことよね」と心の中で納得したのだった。

それにしても着物を着て写真を撮るようになって10年も経つのに、ポーズの取り方が下手なこと…
袖とおはしょりのラインが綺麗じゃないですね。



d0048332_191516100.jpg
ランチは初めての「ごだん 宮ざわ」さん。

一つ一つの料理にとても心が込められていて、器も素晴らしく、接客も気さくながら丁寧で。
贅沢な気持ちにさせてもらいつつ、緊張せずリラックスして過ごせる、とても素敵なお店だった。

私が一番感動したのが、胡麻豆腐を焼いたもの!
柔らかい胡麻豆腐なのに焼き目がついた表面はお餅のように香ばしくモチモチで、本当に美味しくて、毎日でも食べたいと思ってしまった。
もしまた伺う機会があったら、またこの一品をぜひいただきたいなあ。
[PR]
by Medalog | 2016-05-23 19:37 | きもの | Comments(4)

八掛の天地替え

d0048332_934837.jpg

八掛の裾が擦り切れてしまったグレーの紬。
そろそろ袷の季節が終わるので、八掛の天地替えを依頼することにした。

直接持ち込める懇意の店がないので、ネットで検索。
八掛の交換はどこでも扱っているが、天地替えをホームページに明記してあるところはあまり多くない。
もちろん問い合わせをすれば扱いの有無やら金額を教えてくれるのだろうが、何社にも問い合わせるのは面倒なので、ネットに金額が明記されていて我が家からあまり遠くない店にお願いすることにした。

八掛の擦り切れた部分をカットするので、八掛が短くなる分だけ胴裏を伸ばすらしい。
もともと八掛や胴裏に余分な縫込みがあれば問題ないが、なければ胴裏を継ぐのでその分代金が上がるとのこと。
それでも新たな八掛を買うよりは安く済むのでありがたい。

それにしても、和裁ができれば八掛の天地替えぐらいは自分でできるのかなと思う。
天地替えをしなくても、八掛の裾をバイヤステープやガロンテープでくるむことで擦り切れを防止したり隠すこともできるそうだ。
普段着用の着物なら、初めから自分で補強してしまうのが賢いかも。


・・・・・


熊本を中心とする地震の被害に遭われている皆様に心よりお見舞い申し上げます。
被災地から離れて暮らす私たちにできること、しなければならないことはいろいろあるかと思いますが、最低限守りたいのは
「デマを信じない、広めない」
ということだと思います。

すでにもっともらしいデマや怪しげな予言などがネットを中心に広まっているようです。
それを見て「こんな予言があるんだって。怖いね」なんてネットに書き込むこと、これも立派なデマ拡散。
(このブログを見ていただいている方々には釈迦に説法だとは思いますが)
とにかく冷静に、被災地の皆様のご無事と一刻も早い復旧を願いたいと思います。
[PR]
by Medalog | 2016-04-16 09:55 | きもの | Comments(6)

可愛い着物、派手な洋服

d0048332_9534143.jpg
2日前の大阪城。
ここの木は大阪城周辺でもよく咲いているほうで、まだ2分〜3分咲きの木も多かったが、今日・明日はほとんど満開になっていそう。
週明けにまたこの辺りに行くので、そのときまで散らずにいてくれたらいいな。



バスの中で、前の席に座っている女性が和服姿だった。
私より一回りほど年上と思われるその方は、おそらくご自分で髪をアップにしているのか、無造作なようでいてきちんとまとまっている感じがとても素敵。かなり着物を着慣れていらっしゃるとお見受けした。

そしてその方がお召しになっていた小紋が、これまたとっても素敵!
濃い深緑色のちりめん地に小さなおもちゃ柄がびっしりと並んでいて、シックさと可愛らしさが見事にマッチしている。
歳を重ねても似合う可愛らしさ。着物ならではのおしゃれ感覚だと思う。

少し前までは「あら素敵」と思うだけだった、このような小紋に、最近ぐぐっと惹かれるようになった。
歳を重ねても、いや重ねたからこそ可愛かろうが派手だろうが着たいものを楽しまなきゃ損!
特に着物ならそれができるはず。



大阪城で写真を撮っていると、観光客、しかもアジア系の外国人がとても多い。
関東から大阪に転居したときに、大阪の年配の女性は服装が自由な人が多いなと思ったものだが、海外の女性はさらに自由なようだ。

一番驚いたのは、中国語を話していたとある女性。
お尻まで隠すトレーナーの下に履いているのは、脚の形がくっきり出てしまうスパッツ。
おまけに太ももの裏側の左右それぞれに、なんと黄金のツタンカーメンの顔がお尻から膝裏までの大きさでどーんとプリントされているではないですか!
後ろから見ると、ツタンカーメンが2体寄り添って歩いているかのよう。
ヒョウ柄+虎柄+ゼブラ柄のトリプルコンボファッションぐらいでは驚きもしなくなった私だが、さすがにこれには度肝を抜かれた。

その女性は数人のお仲間ととても楽しそうに写真を撮りまくっていた。
それを見てしみじみと、「人生、楽しんだもの勝ちだなー」と思う。

小心者の私ですが、和洋服のファッションに限らず、もっと自分をぽーんと解放して生きていきたいものです。
[PR]
by Medalog | 2016-04-02 13:51 | きもの | Comments(4)

可愛すぎる?義母の小紋

早いもので義母が亡くなって6年、七回忌も済ませた。

義母が遺したたくさんの着物を、自分一人が受け継いだ。
残念ながら保管状態の悪いものが多く、洗い張りと少々のシミ抜きではどうにもならないものがほとんど。
その中でも比較的状態がいいものや自分がどうしても着たいものをいくつか選んで、シミが目立たぬように色を掛けたりして仕立て直した。
そして、どうにもならないものは迷いながらも少しずつ手放して。



そうやってほとんどの着物やコートが整理できた中で、一枚だけ宙ぶらりんになっていたのがこの小紋。

d0048332_1311052.jpg
細かい縮緬地で、黒地にパステルカラーの双葉が散っている。

黒地ということもあってシミや傷みがあまり目立たず、色柄も結構好きな感じ。
なのに仕立て直さずに放置していたのは、可愛らしすぎて着物として着るには抵抗があるが、羽織やコートにするには反物の幅が足りないので、どうすればいいかわからなかったため。

たまに引っ張り出して眺めてはまた箪笥に戻すことを何度も繰り返していたのだが、最近また引っ張り出してみたら、あら? なんだか今までよりも可愛らしさに抵抗を感じないような。
見慣れたからかもしれないし、自分の嗜好が「明るい色を着たい」という方向に変わりつつあるからかもしれない。
そんなときに呉服店から「お直し相談会」なるもののお知らせをいただいたので、この小紋を抱えて相談に行ってみた。



そのお直し相談会は、プロの悉皆屋さんが来店していて、洗いも染めも縫いも直接相談できるのが嬉しいところ。
店に行ってみたら先客がいたので、待つ間に小紋を簡単に着付けしてもらった。
白半襟を付けてから小紋を着付けしてみると、意外にも派手すぎる・可愛らしすぎることはなく、今の年齢で着物として着てもおかしくないような?
なんとなくシックな雰囲気があるようにも見えてきた。

さらにお店の帯をあれこれ合わせてもらったら、付け下げに合わせるようなやや軽めの正統派袋帯、鮮やかな型染めの九寸、すっきりした白地の塩瀬、和紙を使ったざっくりした風合いの八寸…と、結構何でも合ってしまう。
お店の方にちやほや褒めてもらったこともあり、すっかり着物として仕立て直す気になったところで、いざ悉皆屋さんにご相談。

小紋を採寸してもらったところ、今の裄丈は1尺6寸5分で、どんなに裄を伸ばしても1尺7寸5分にもならないとのことだった。
私の裄丈は1尺7寸5分〜1尺8寸なのでなんとか着物には仕立てられるが、羽織やコートにするには布を継ぐなどの処理が必要になる。
その悉皆屋さんは、布を斜めに接ぎ合わせるなどの大胆な方法で裄を伸ばすことも得意とのこと。
しかし布を裁ってしまうことになるので、それは最後の手段でいいのではないか、八掛の色を変えて着物として十分に楽しめるのではないか、とのアドバイス。

自分でも採寸したり縫込みを確認したりしていたが、プロに採寸してもらい羽織ものにするのは難しいと説明を受けて、ようやく納得。
そして、長い間箪笥の中で寝かせてしまったこの小紋を、もう一度着物として蘇らせることになったのだった。



4〜5年前に決断できていたら、もっとたくさん楽しむ機会が増えたのに…とも思うが、この歳になったから決断できた部分もあるので、まあなるようになったということかな。
秋にはこの小紋でお出掛けができそう。
また楽しみが一つ増えた。

そして、呉服店で合わせてもらった帯がどれも小紋にぴったりで素敵だったことを思い出す。
小紋は私の中では新たなカテゴリー。
今持っている帯でも十分やりくりできるとは思うのに、それで収める(我慢する?)ことができるかどうか、今から不安だ…
[PR]
by Medalog | 2016-03-30 14:15 | きもの | Comments(6)

モネ展

モネ展へ行ってきた。

もう一週間以上前の話なのだが、パソコンの画像処理ソフトの調子が悪くてなかなかブログに書けなかった。
顔にモザイクを掛けたかったので…
元々は個人情報を守る意味合いでモザイクをかけていたが、この歳になるとお見苦しい自分の顔を人様に見せたくないという気持ちの方が強くなり(笑)、どちらにしろモザイクなしという選択肢は無いのだ。



モネと言えばやわらかい風合いが持ち味なのだとばかり思っていたが、モネが視力を失ってからの作品(全く見えないわけではなかったようだが)を今回初めて見て、そのエネルギッシュな色使いと筆運びに驚かされた。
心の中の何を、あれほどの絵を描くエネルギーにしていたのかしら。

そして「睡蓮」と名付けられた作品がたくさんあることを初めて知った。
同じモチーフを、何枚も何十枚も描き続けたのは何故だったのだろうか。
たくさんの睡蓮を見比べることができて(違いがわからないと思う絵もあったが)、とても見ごたえのある展示だった。



d0048332_19514583.jpg
この日は朝一番に洋服で外出して、帰宅してから着物に着替えて京都へ出掛けた。
本当なら薄黄色の十日町紬(袷着物では唯一の暖色系)を着たい季節だけれど、着付けの時間がいつもより少なかったので、一番着付けをしやすいグレーの紬に手が伸びてしまった。

この着物は着付けの際に生地が滑ることもゴワゴワすることもなく、形が作りやすい。
また裄が他の袷着物より短めなので、腕が動かしやすい。
そしてグレーは帯や小物を選ばないから、一度小物まで着付けをしてから「色合わせが気に入らない!」などとやり直すようなことも少ない。
だから、この日のように時間が無いときは、結局この着物を選んでしまう。

前の記事で、この着物の八掛が擦り切れたと書いたが、自分が思っている以上にこの着物を酷使しているのかも。
万能でありがたい存在の一枚だけど、無難な一枚でもあり、せっかく着物を楽しむというときにこればかり着てしまうのも勿体無いなー。
他の着物ももっとたくさん着なくっちゃ!



d0048332_1951482.jpg
八坂神社の近く、「ここって通れるの?」と驚くほど狭い小路の奥にある「祇園なか原」さんでランチ。
丁寧に作られたおいしい料理を昼間からゆっくりと楽しめて、舌も心も本当に幸せなひととき。
さらにこの日は貸切状態だったので、リラックスしておしゃべりも弾んでしまったような。
次回も楽しみ!
[PR]
by Medalog | 2016-03-29 14:07 | きもの | Comments(0)

着物だけ替えて

d0048332_815949.jpg
お友達のブログを見て思い出した、グレーの紬。
帯や小物は、先週に結城紬を着た時と全く同じ取り合わせ。
帯と帯揚げはいいとしても、帯締めは別の色を試してみればよかったなー。ターコイズブルーも似合いそう。

暖かかったので、羽織がちょうどよかった。
羽織と帯が花柄でピンク系が入っているので、年齢の割に可愛らしい組み合わせなのかもしれないが、気にしない!

もっと自分が楽しくなるような着方をどんどん考えたい。
派手な方に転ぶのか、見えないところやさりげない部分に凝るのか、やりかたは色々あると思うが、とにかく楽しみたいと思うようになった。



d0048332_8151372.jpg
このグレーの紬、お気に入りなのに最近あまり着なくなっていたのは、裾の八掛が切れてしまったから。

今回も「八掛が切れていても着られるかしら」と心配しながら着物を広げてみたが、切れているのが下前の身頃部分で、上前の中に完全に隠れる場所だったのでそのまま着てしまった。

でもこのままずっと着続けられる状態ではないので、なんとかしないと。
この八掛は気に入っているので、天地(上下)を逆にして使い続けたいのだが。
今はお付き合いしている仕立て屋さんがないので、引き受けてくれるところを探さなくては。



それにしても、なぜこの着物のこの部分だけが切れてしまうのかが少々不思議だ。
下前の裾は着付けの時に結構持ち上げているのに、草履の鼻緒に当たって擦れてしまうのかな?
それに他の着物の裾はまだ切れたことがない。
この着物は着用回数が多いのは確かだが、それでも八掛を変えてから何十回も着ているわけではないのに。
もしかしたら、八掛の生地そのものの耐久性に問題があるのかもしれない。
他の着物の八掛よりも少々薄いような気もする…。



ただ、お直しはお金が掛かるので少々気が重い反面、八掛が擦り切れるほどこの着物を着たのだと思うとなぜか満足感もあったりする。
今回はこの八掛のまま上下を逆にしてもらって、それでも擦り切れたら新しい八掛に変えて…と何度も楽しむことができたら面白いな。
[PR]
by Medalog | 2016-03-04 09:46 | きもの | Comments(6)

大阪在住主婦の、のんびりメダカ飼育と着物を楽しむ日記です      


by Medalog
プロフィールを見る