結城紬

小判屋さんとmarchaさんに「お薦めの結城紬があるよ」と声を掛けていただき、
京都・だいやすへ行ったのが夏の終わりだった。

お二人は以前から、「いつかは結城が欲しいなあ〜」と言っていた私に
「結城を買うならリサイクル品から探すのもいいよ。他の人が着て柔らかくなっている上に安いんだから。」とアドバイスをしてくださっていたのだ。
確かに、私の親や親戚には結城を譲ってくれる人などいないし、私のあとに結城を着てくれる娘や姪もいない。
自分一代で着潰すであろう結城ならリサイクル品から探すのが賢いのかも。
(第一、リサイクルでなければ私にはなかなか手が届かない…)


だいやすで見た結城は、黒地に赤い大きな立涌模様。まだ反物状態のものだった。
くっきりした派手な色柄ではなく、結城らしい優しい色使いで、黒い着物を持っていない私でも着やすそうな可愛らしくて素敵な柄だ。
そして何より、お二人がお薦めだったのがさっくりと軽やかな風合いだった。驚くほど軽い。
確か証票がついていなかったのだが、だからこそ結城にしてはお買い得価格だった。

私は立涌模様が好きで、以前も立涌の着物を買うべきか迷った挙げ句に諦めたことがある。
その着物はポリだったのだが、ちょうど自分の好みがポリ着物から正絹着物へ移行中だったので「いくら色や柄が好きでも、そのうちポリ着物は着たいと思わなくなるだろう」と我慢したのだ。今となれば大正解。あの時の自分、えらい!

「あのとき我慢したから、今この反物に出会えたのね!」なんて都合よく考えながら反物を握り締めていたのだが、買う前に手触りや風合いを他の結城紬と比べてみようと店内の棚をあれこれ物色しているときに、見つけてしまったものがあった。


d0048332_7531930.gifd0048332_7533710.gif濃紺の仕立て上がりの結城紬。

柄は百合?手のひらサイズの柄が、ぽんぽんと飛んでいる。
薄く織り込まれているので、遠目には無地に見えるかも。

リサイクル品ではあるが、仕付糸がついた状態でどうやら未着用らしい。寸法も十分にある。

濃紺好きの私は、この結城紬を見つけた瞬間から目が離せなくなってしまったのだ。
すでに2枚の濃紺着物(紬・木綿)を持っているのに…
風合いや手触りもなかなか良い(と思う)。
黒地立涌の結城と比べるとやや厚手で重たい気もするが、こちらは仕立て上がりで裏地も付いていることを考えたらさほど引けを取らないような。

ただし問題は証票が付いていないことだ。その分安いのだが。
お店の方曰く「地機で100亀甲の本結城」とのことだが、その保証はない。
だいやすを信じられないとかいうことではなく、どこで買おうと証票が付いてない以上は自分の責任で判断するべきだと思うのだ。

そこで考える。
もし、この着物が地機でも100亀甲でも本結城でもなかったとしても、欲しいと思うのか?
この価格で購入して、悔いが残らないのか?
自分なりに考えた結果「それでも欲しい」と思えたので、連れて帰ることにした。
小判屋さんとmarchaさんが見つけてくれた立涌の結城も非常に名残惜しかったのだが、まさか一度に2枚も買うわけにもいかないので諦める。


持ち帰ってから、たびたび畳紙を開けて眺めてはいたのだが、なかなか袖を通さなかった。
しかし一度着ておかないといざというときに困るので、ようやく試すことにした。
そして着てみたのが上の写真。
軽いのに生地に張りがあって、肩のラインや袖のシルエットがガチガチになってしまう。
いかにも「おろしたての結城紬です♪」って感じ。
うまく扱えなくて、おはしょりを作るのもままならずモコモコしてしまう。
身幅が大きめなので下前を折り畳まないといけないのだが、なんだか折り紙を折っているような気分になる。
これは、外出で着る前に家の中で何回か着ておかないといけないわ。
それとも、一度水を通すまではずっとこんな感じなんだろうか。

でも、着心地がいいなあ〜これ。軽くてほっこりしていて、ずっと着ていたい感じ。
大島紬のスルスルとした軽さ(?)とはまた違う。これが結城の魅力なんだろうな。
家の中で冬の普段着にしたら、とっても気持ち良さそう。勿体なくてできないけど…

帯は バティックの二部式帯 。「今回こそは自分で」と思いつつ、気が付けば小判屋さんにほとんど仕上げていただいていたもの。
濃紺の着物に似合うだろうと考えて選んだバティック。結城にも合ってくれたようで嬉しい。
他の着物にも合いますように。
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Commented by marcha at 2007-10-31 13:03 x
結城は本当に軽くて暖かい、これからの季節のものだと思います。どんどんお召しになったらよいと思います。昔は女主人が女中さんの寝巻きにして、やわらかくなってから自分の着物にしたという結城のエピソードがあるくらいですから。丈夫なのが結城のいいところです。私の目標は洗い張り3回した結城を老後に着ることです^^。
Commented by Medalog at 2007-10-31 18:49
marchaさんへ
ということは、今の私はさしづめ女中?女主人(未来の自分)のために、寝間着に…するのはさすがに無理なので、たくさん着る機会を作るようにします。
寸法も若干合わないので早く洗い張りしたいけど、何年先になるかな〜?
Commented by virgo_virgo at 2007-10-31 20:38
いいなあ、いいなあ♪。憧れの結城デス。
まだまだ馴染んでいないのなら育てる楽しみも同時に味わえますね〜。

>なんだか折り紙を折っているような気分になる。
すごく分かります、これ・・・笑。
大島星人の私が、初めて真綿の紬を着たときもまったく同じように思いました。
私のはでも3回くらい着たら着付けのコツが分かって来たこともあって、最初に着たときのようなやっこさん状態からは随分落ち着いてきた気がします。

今からたくさん着て、風合いが育って行くのを見るのが楽しみですね!
これからも色々コーデ見せてください♪。
Commented by miwaxsmania at 2007-10-31 20:43
手の込んだ細かい絣で、いいですねー。私は結城には手を出せずにいるのですが、Medalogさんのお買い物レポート、勉強になりました。
外出のたびにお召しになると、身体に馴染んでくるのではないでしょうか。冬中活躍しそうですね。
Medalogさんは、袷の時期の着物はほとんど揃えられた様子で、帯やら小物で変化をつけて楽しめそう。お会いできれば、ぜひ実物を見せてくださーい。
Commented by Medalog at 2007-10-31 23:46
りおさんへ
他の人が柔らかくしてくれた結城を買うはずが、なぜかパリパリの結城を着ている自分。予想外でしたが、ラッキーだったかな?とも思っています。
今回初めて着てみて、まだサイズを把握していなかったせいもありますが、今まで感じたことのない張り具合(固いのとは違うんですよね)に手こずりました。
早く体に馴染ませるために、たくさん着ないといけないなあ。

りおさんが結城を手に入れる時はきっとりおさんらしい素敵なものをお選びになるだろうな、と思います。
気に入ったものを見つけた時は、是非見せてくださいね。
Commented by Medalog at 2007-11-01 00:00
ミワさんへ
軽くて着心地がとても気持ちいい着物なので、秋口から春先までずっと活躍してくれそうな気がします。
ただ色が濃紺なので、桜の季節などに着るには帯や小物をうまく合わせられるかどうかが問題かな〜。これからは小物使いを工夫して、今ある着物を引き立てる努力をしなくちゃ。

結城紬を欲しいと思ったとき、最初は「みんなが結城を欲しがっているから自分も欲しい」という部分もあったのは否めませんが、好みの色・柄を見つけてこの着心地を体験したら「いいものを買えて良かった」と素直に思います。
大切に、でもじゃんじゃん着ますよ〜!
Commented by amethyst at 2007-11-01 07:36 x
わわ~結城ですね。しかも素敵な柄です。
私が先日アップしたお出かけ着は結城なのですが
色は灰桜色なのです。
とても着心地がいいものなので、実は家で着たい、
年中着たいとさえ思ってます。
そしてもう一枚ほしいとも。。。う~ん欲張りだけど
次回買うときは絶対濃い色、紺か茶を目指してます。
選ぶ時は○亀甲とか○機でなく、色や柄、風合が
自分が好きかどうかを軸に考えたのが満足感となったのでしょうね。
バティック帯もしっかり馴染んでますね。(*^_^*)
Medalogさんらしい着姿です。
Commented by Medalog at 2007-11-01 10:57
amethystさんへ
あの灰桜色の着物は結城でしたか。やはり着心地が良いのですね。
ほんとに、家で着たくなる軽さですよね〜。
色に関しては私はamethystさんとは逆で、着心地に合わせた明るい色の結城が欲しかったのに今回は濃紺を買ってしまったので、もし次に買う時が来たら明るい色のものが欲しいなあ〜。当分ないでしょうが。

この着物はリサイクルで安かったので、価格から言えば地機だの亀甲だの騒ぐようなものでもないのですが、全く気にしないわけにもいかず…。
着心地がとても良いので「やっぱり地機なのかも〜」と自己満足しちゃってます。
Commented by 小判屋 圭祐 at 2007-11-02 01:13 x
あの帯を〆てくれたんですね。ありがとうございます。
いよいよ本格的な秋になってきましたね。11日は京都に行って来ますが、OSKの舞台を観にいくためです。
ゆっくり秋を楽しむ事は残念ですが今回もありません・・残念
今回の結城は似合っていますよ。目が利いてきましたね。
渋みのある臙脂の帯か、この間の菊唐草なども洒落感があって良いと思います。
この結城は帯合わせで行く通りも楽しめますよ。
着物をできるだけたくさん着てください。習うより慣れろです。
Commented by Medalog at 2007-11-02 08:20
小判屋さんへ
小判屋さんとmarchaさんが見つけてくれた立涌の結城も、お洒落でとても素敵だったんですけど、こちらに決めてしまいました。
こちらの方が仕立て上がりなのに安かったということは、立涌の結城のほうが良いお品だったんでしょうね。手触りがすごく良かったですから。出来れば両方欲しかったんですが…諦めました。

バティック帯は、最後に自分でちょっとくけるだけの作業がなかなか出来ず、ようやく使うことができました。前帯の長さは結局そのままなのですが、ちょうど良かったみたいです。ありがとうございました。
この結城にも合うし、他の着物にも気軽に使えそうでよかったです。二部式は軽いし、締めるのも簡単だし、本当にいいですね!もうやめられません。手持ちの帯もどんどん二部式に改造したいぐらい。
菊唐草帯は、この結城にすごく似合いそうな気がします。着物が濃紺で帯が白地なので、小物でいろいろ工夫できそうですね。
菊なので季節もまさにこれからですよね?次に結城を着る時に、合わせてみます。

相変わらずお忙しいみたいですね。OSKの舞台、楽しんでいらしてください。せめて往復の車中から紅葉でもご覧になれたらいいのですが、まだ早いかな…
Commented by 風子 at 2007-11-02 22:58 x
こんばんは。
とても よくお似合いです。
気に入ったきものを見つけたときは、それはうれしいものですよね。

これからの季節、真綿のきものは、ほっこりと身体を包んでくれて、うれしいものです。

どんどん着てくださいね~。
お目にかかって、見せていただく機会もあるかも、ですね。
Commented by Medalog at 2007-11-03 00:31
風子さんへ
真綿の着物自体が初めてなので、その軽さと暖かさに感動してます。
真綿であれば、結城じゃなくても同じように着心地が良いのかもしれないですね〜。知らぬが仏、というやつかもしれません。

袷の季節にお会いすることができたら、きっとこれを着て行くと思いますので見てやってくださいね。
Commented by zizi at 2007-11-07 20:18 x
お気に入りがみつかってよかったですね^^ 私も
誰も結城はくれないし、もってないし、叔母は泥大島は全部壊してコートにしちゃってナニも残っていないし(号泣)、子梨だから リサイクル結城探しました ^^;

ふぅゎりとしていて 着心地いいですよね^^
この秋冬のコーディネート楽しみにしています^^
Commented by Medalog at 2007-11-08 08:08
ziziさんへ
ziziさんもリサイクル結城を手に入れられたのですね。どんな色柄なんでしょうか?
着心地は本当にいいですよね!私の着物はまだ固めなのですが、これが柔らかく体に馴染んできたら、一体どれだけ着心地がいいんだろうとワクワクします。
お互いに、この秋冬は結城をたくさん着られたらいいですね。

結城を譲ってくれる人も、これから譲る人もいないというのは私と一緒ですね〜。
でも泥大島のコートというのも、素敵そうですね(着物用のコートでしょうか?)
私は大島の道中着を持っていますが、機械織り&化学染料染め(多分)のもので、色が派手な気がしてなかなか着る勇気がありません。
泥大島なら、落ち着いた色合いでいろいろな着物に合わせやすそう。
by Medalog | 2007-10-31 10:44 | きもの | Comments(14)

大阪在住主婦の、のんびりメダカ飼育と着物を楽しむ日記です      


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