伊勢神宮「お木曵」

三重県の伊勢神宮で行われている「お木曵行事」に参加してきた。
(伊勢神宮の正式名称は「神宮」だそうだ。便宜上「伊勢神宮」と呼ばれているとか。)

お木曵とは、20年に一度行われるご遷宮(4月の記事をご参照ください)に使うご用材を神宮へ運び入れる行事のこと(正式名は神宮式年遷宮御用材奉曵)。
5月〜7月の週末、伊勢市の各町が順番に行うもので、川で清めたご用材を奉曵車に乗せ、町ごとに揃えた法被を着てみんなで綱で引っ張って神宮まで運ぶ行事だ。
これは基本的には伊勢市民(神領民)が参加するものだが、「一日神領民」という名で全国から参加できるツアーなどもある。
今回、私も伊勢市民である友人の計らいで実家の両親とともに参加することができた。

お木曵は一日にいくつかの町が順番に行い、私が参加する町のお木曵は昼頃から始まっているのだが、途中から参加させていただくことにした。
離れた場所に住む両親と伊勢市内で落ち合い、まずは伊勢神宮・内宮のおはらい町で昼食をとり、内宮へお参りする(本当なら、外宮〜内宮の順番でお参りするのが順序だそうですが)。
この日はあいにくの雨だったが、さすがは伊勢神宮、おはらい町も参道もたくさんの人で溢れかえっている。
大鳥居をくぐって清流・五十鈴川(この日は雨で濁っていたけど、とてもきれいな川)を渡ると、空気の味やにおいががらりと変わり、緑の気配がぐんと濃くなるのがわかる。雨の降る初夏の伊勢神宮は、もしかしたら一年で一番空気が美味しいときかもしれない。
参道はきれいに手入れされ、あちこちに立派な杉の木がそびえて、まさに天まで届くよう。
大人3〜4人でやっと囲めるかという大木も至る所にあり、伊勢神宮の歴史を偲ばせる。

濡れた玉砂利を踏みしめながら15分ほど歩いただろうか、いよいよ御正殿へ到着し、手を合わせる。
すぐ隣にある新御敷地(次に御正殿が建つ場所)を見ながら引き返すと、すでにお木曵きに参加している友人から電話があり、予定より早く進んでいるから至急来るようにとのことなので、慌ててお木曵きのコースへ車を走らせ、友人と合流。

雨の中参加している神領民たちはすでにびしょぬれ。レインコートと軍手で身を固めた私たち親子もあっという間にびしょびしょになってしまったが、非日常的な雰囲気に包まれて濡れていることもだんだん気にならなくなっていく。
始めての参加なので勝手もわからないが、綱を手に取り歩き出すとすぐに20代の青年たちが木遣を歌い始める。(20年に一度しかない行事で、こういう歌などはどのように伝承されているのだろうか?)
そして青年たちの音頭に合わせ、数百人いると思われる神領民が長い長い2本の綱を曵き始める。

最初はゆっくりと曵いているだけなのだが、途中から2本の綱を左右に振ったり中央で綱を押し合ったり、結構激しい動きにもなる。このあたりの雰囲気は「お祭り」という感じになって、小さい子供から年配の方までみんなが盛り上がる。
最初は声を出すのがちょっと恥ずかしかったけれど、いつの間にか周りの人と一緒にかけ声を出していた。

私たちは参加するのが遅れたので、あっという間にゴールである外宮へ到着。
このあとご用材は外宮内の製材所へ運ばれ、御正殿建設の時を待つことになる。

来年も第二次のお木曵が行われるそうだ。
神宮のお膝元で暮らす伊勢市民の人たちとよそに住む私たちとでは参加意義が違うかもしれないけれど、もともと伊勢は全国からお参りに来る人々を昔から受け入れていた場所だ。「一日神領民」という形で参加できる制度があるのだから、興味のある方は見るだけでなく是非参加することをおすすめしたい。
(その町の法被やたすきを身に着けていないと、綱に触ることができないようなので、当日の飛び入り参加は多分できないと思います)

本当は写真を載せたかったのだけれど、雨が降っていたので写真が撮れなかったのが残念。
[PR]
by Medalog | 2006-05-29 20:27 | 旅行・食べ歩き | Comments(0)

大阪在住主婦の、のんびりメダカ飼育と着物を楽しむ日記です      


by Medalog
プロフィールを見る