川喜田半泥子物語 その芸術的生涯

頂きものの美術展のチケットがあり、いつの間にか有効期限が迫っていたので焦って見に出かけた。

川喜田半泥子物語 その芸術的生涯
あべのハルカス美術館 3/17〜5/10
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川喜田半泥子という人のことを恥ずかしながらほとんど知らなかったのだが、会場で略歴を見て驚いた。

江戸時代から続く津の木綿商人の家に生まれ、百五銀行の頭取を務める。
そのかたわら、陶芸、書画、写真などに豊かな才能を発揮した趣味人、なのだそう。

以前三重県中部に住んでいたのに、このような方のことを知らなかったなんて。
木綿の伊勢商人が隆盛を極めたことはもちろん知っていたし、三重県を代表する地方銀行の百五銀行にも仕事でよく通っていたのに「名前は聞いたことがあるな」程度の知識だったのが恥ずかしい。



展示作品はとても見ごたえのあるものだった。
展示の量も豊富だし、半泥子氏とゆかりの人々の陶芸、書画、写真の数々はのびのびとした作風が気持ちよく、半泥子氏の人柄が伝わってくるようだった。

それにしても大正から昭和初期だろうか、まだまだ海外旅行が一大イベントだった時代に何度も出かけて行ったり、陶芸に傾倒してからは自らの窯を立ち上げたりと、実業家として多忙でありながら趣味の世界にも貪欲なのが素晴らしいと感じた。
心身ともにパワフルな人だったのだろうと思う。
その反面、洋行時のスケッチやメモなどは伸びやかながらそのまま作品にできそうなほど整然と美しく、作品を見れば見るほど興味をそそられてしまう。



いい展示を見たと満足しながら会場を出ようとして、半泥子ゆかりの石水博物館のパンフレットを見て、これまたびっくり。
三重県在住時に一時勤めていた会社のビルから徒歩でもいける距離に、このような博物館があっただなんて!

そしてお土産コーナーでさらにびっくり。
津の有名な洋食店、東洋軒の名物メニューであるブラックカレーは、なんと半泥子氏が「黒いカレーが食べたい」とリクエストして生まれたメニューだったとは!
私ももちろん食べたことがあるが、懐かしかったのでお土産にレトルトのブラックカレーを買ってきてしまった。

(ブラックカレーのパッケージに「東の魯山人、西の半泥子」と称される…とあり、そこまで有名な方を知らなかった自分をますます恥じた)



津市には半泥子が設立した窯場・廣永窯のギャラリーもあるらしい。
津市界隈で、石水博物館を見学〜東洋軒のブラックカレーでランチ〜最後に廣永窯ギャラリーでショッピングしてカフェで一息、という半泥子三昧の1日が楽しめそうだ。
ただ公共交通機関利用だと微妙に不便ではあるけれど…。
いつか行きたくなったら、三重の友達に車を出してもらおうかな。
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Commented by fuko346 at 2015-05-09 22:29
私もまったく知りませんでした。
津にそんな見どころがあることも。
そして黒カレーも、、、、
けっこう通過はしていますのに。
機会があったら 訪れてみたいです。
Commented by Medalog at 2015-05-10 09:34
風子さんへ
おそらく津や松阪に住む私の友人たちもほとんど知らないのではないかと思います。
ブラックカレーを食べに行った時にもそんな話は出なかったし。

津市は県庁所在地としては「売り」のない地味な街だと正直なところ思います。だから通過はしてもなかなか途中下車はしませんよね。
でも半泥子めぐりツアーはいずれやってみようかと思っています。

このチケットはMIHOで風子さんのお友達から頂いたものです。
よろしくお伝えください。ありがとうございました。
Commented by 神奈川絵美 at 2015-05-11 20:35 x
こんにちは。私も半泥子の名前を知ったのは、半年くらい前かな…東京・丸善のギャラリーに茶碗が2、3展示されていました。蒐集家でもあり、作家でもあり、だったようで、こういう方の存在があるからこそ、文化が継承されていくんだなーと思いました。
Commented by Medalog at 2015-05-12 22:33
神奈川絵美さんへ
半泥子の生家は伊勢商人の中でも有数の富豪だったそうです。
下世話な話かもしれませんが、文化の継承には人の努力やセンスはもちろん、お金の力が非常に重要なのだといろいろな芸術に触れるたびに思います。
城や神社仏閣だって支配者たちがお金を湯水のごとく注ぎ込まなければ生まれなかったものだし、絵画や着物、工芸品、全部そうですよね。
Commented by amethyst at 2015-05-17 07:38 x
身近な場にゆかりのある方の展示を観にいかれたんですね。
お名前はきいたことがあります。
Medalogさんの説明、ポスターの器をみると
すごく素敵だなと感じました。
なので画像をぐぐってみましたら
私がテーブルウェア展で惹かれた織部の元の形のような
お茶碗の画像が何点かありました。
なるほど~ルーツはこの方に違いない。(あくまで推測)
とまあおかけで
私にとっても出会い直しの機会になりました。
嬉しいです(^^♪
Commented by Medalog at 2015-05-21 12:47
amethystさんへ
コメントの返事が遅れてすみません。
この方は型に嵌ることを嫌っていたそうで、茶道の道具などでも他にはない自由な発想で創作していたそうです。
使う土や窯場も一つに限らず色々なものを試していたようで、陶芸の作品だけでも様々な風合いのものが展示してあって飽きずに楽しめました。
確か粉引きのものもあって、amethystさんがお好みかも?と思いながら見ていました。
by Medalog | 2015-05-09 20:21 | 生活 | Comments(6)

大阪在住主婦の、のんびりメダカ飼育と着物を楽しむ日記です      


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