大阪城薪能

d0048332_9402498.gif大阪城西の丸庭園で開催された「大阪城薪能」を見てきた。

能や狂言について語る教養は一切ないので、「初めての『大阪城薪能』体験記」を書きます。



薪能は若い時に一度見たことがあるだけ。せっかく大阪に住んでいるのだから機会があれば是非見たいと思っていたところに、大阪城で薪能が開催されることを知ったのでさっそくチケットを購入。

ただ一緒に行く人がいないので一人で出掛けることになってしまった。

最初は「薪能、しかも大阪城だなんて夏着物の着納めにピッタリ!」とウキウキしていたのだが、どうやら会場には椅子がなく、芝生の上に敷かれたシートに座るらしい。しかも自由席。

様子が全くわからないので着物は止めジーンズで行くことにした。足が痛くなりそうだけどクッションを持って行くのもおかしいかな…と迷い、結局汚れ防止のために風呂敷1枚だけを持って出掛けた。

一人で出掛けるのは慣れっこだし好きなのだが、一人だと不便なこともある。
その一つが、自由席。
連れがいれば、場所取りをしたあとに交代で席を離れられるが、一人だと私物を置いておくのも不安だし、もし席を取られても文句言う勇気もないし。

今回はその自由席なので、会場に入ってからトイレにでも行きたくなったら困るので、諸々を事前に済ませてから開演15分前に入場した。
入場が遅いので席が悪いのは覚悟の上だったが、後ろや端のシートには結構空きがある。前のほうのシートでもど真ん中だと身動きが取れなさそうな気がしたので、一番後ろのシートの前から2列目、一番端に座る。前後左右の一カ所が空いている(人がいない)だけで、気分的にらくちんだ。

シートに座ってみると、芝生の上なので意外にふかふかした感触。しかしここに3時間座っているのかと思うと、耐えられるかと不安になる。周りを見るとほとんどがシートに直に座っているが、座布団を持参している人もいる。持参した風呂敷はないよりはマシだったが、やはり途中で足が痛くなり左右に代わる代わる足を崩しながらの観劇になってしまった。次に行く時は、厚みのあるブランケットぐらいは持って行こう。

この日は多少蒸すものの夕方以降は涼しい風が吹き、雨も降らず、絶好の「薪能日和」だったのではないかしら。

d0048332_9403619.gifそして舞台の奥には大阪城。
日が暮れてあたりが暗くなるほどに舞台と大阪城だけがライトに浮かび上がるまさに絶好のロケーション。演奏や舞が止まった瞬間、会場がしーんと静まり、遠くから虫の音だけが響いてくるのもいい。


さて肝心の能と狂言ですが。演目は、

金剛流能「吉野静」
火入れ式
大蔵流狂言「萩大名」
観世流能「谷行」。

細かい内容などはパンフレットの受け売り以上のことは書けそうにないので、本当に子どもっぽい感想を。


能については、想像以上に詞章や謡が聞き取れなかったというのが正直なところだ。あらすじと配役を頭に入れ、今どのシーンを演じているかもわかるのに詞章がわからない。
「吉野静」など、「義経」という言葉が聞き取れただけで、ちょっと嬉しくなる始末。(「谷行」のほうは、子方がいることもあって結構聞き取れた気がするが)能を楽しむには、やはりもう少し詞章が聞き取れたほうがいいんだろうなあ。

その分「いいなぁ〜」と聞き入ってしまったのが、囃子。特に大小の鼓の音がたたき方によって変化し、様々な音を響かせるのが気持ちよい。大阪城の下で舞う静御前を遠くでぼんやり眺めながら囃子を聞く、そんな鑑賞を楽しんでしまった。邪道でしょうが。

「吉野静」は登場人物が少なく、静が一人悠然と舞う姿が印象的なのに対して、「谷行」は後半にセットが運び込まれて舞台の広さが半減した上に、登場人物が多く、狭い舞台に10名ほどの役者がいるシーンもあった。ぎちぎち状態。舞台の使われ方が全然違うのが面白く、「能にもいろいろあるのだな」と知って他の演目も見てみたくなった。でもその前にもう少し勉強しないとね…


一方、狂言は詞章も聞き取りやすく、現代劇を見ているような気持ちで気楽に楽しめた。ちょいとアホな大名と太郎冠者、庭の亭主のやりとりだけなのに可笑しくて可笑しくて、声を出して笑ってしまった。(周りもみんな笑っていた)他の演目もこんな感じで笑えるのかしら。見てみたいわあ。


席が一番後ろだったので、正直なところ役者の細かい動きなどはわからない。ただ会場全体が見渡せるので、純粋に能や狂言を楽しんだというよりも舞台・ライトアップされた大阪城・燃えさかる薪・夜風や虫の音・観客を含めた「大阪城薪能」というイベントを楽しんだ、というのが正直なところだろうか。次回はロケーションなど関係なく、能楽堂などで演じられる能や狂言を見てみたい。




<また大阪城薪能へ行く時のための覚え書き>

・一番後ろのシートは、途中退席する客の通り道になってしまい
 舞台に集中しにくいので、もう少し前の席を取ったほうが良い。
・飲食の持ち込みは自由のようなので、早めに入場して良い席を取り、
 お弁当を食べたりしながら時間をつぶすのが良いかも。みんなそうしていた。
・オペラグラスをなぜ忘れた!次回は持って行くこと。
・クッションになるものを持って行く。
・ジーンズは生地がかたく、長期間座っていると膝裏やお腹に食い込んで
 痛くなるので、やわらかい生地の服にする。

・・・って、本当に子どもの感想文みたいになっちゃった。
最後まで読んでくださった方、駄文で申し訳ありません。
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Commented by 風子 at 2009-08-29 00:08 x
行きたかったのですよ~。
でも、不慣れな大阪、一人で行くのはと二の足を踏みました。

野外の能は大好きです。(^^)

何回か見に行くと、だんだん分かってきますし、わからなくても、そこにいて 身を浸していればいいのだと私などは思っています。
気持ちいいのですもの。

お囃子とそれに地謡(コーラス隊)の声もいいでしょ。

Commented by 神奈川絵美 at 2009-08-29 11:45 x
こんにちは~。私、まだお能って未体験。なので今回のレポートとっても参考になりました。まして野外なんて、こう、幻想的だったのだろうなあと想像がふくらみます。まあできたら、こういう場でも椅子があるといいのに・・・。
Commented by Medalog at 2009-08-30 01:40
風子さんへ
能ということで風子さんのお顔が思い浮かんだのですが
大阪、しかも夜のイベントということで、ご無理だろうなあと
お誘いしなかったのです。
私は、これからもできるだけ見に行きたいと思っているので、
もしいつかお越しになる時が来たらぜひ声を掛けてくださいね。

地謡も良かったです!
声の大きい、小さいが、奥行きの深さに感じられました。
舞台のほうに引き込まれそうになったり、
こちらにずーんと響いてきたり…
素人なりに存分に楽しめて、とても良かったです。
Commented by Medalog at 2009-08-30 01:46
神奈川絵美さんへ
まさに幻想的でしたねえ〜。
特に日が落ちてからの雰囲気はとっても素敵でした。
絵美さんも、是非いつか薪能を楽しんでみてくださいませ。

見ている最中に足が痛くなって舞台に集中できなくなるので
椅子があったら楽だろうなあ…と思うのですが、
シートに座って見る、という気楽さもなかなかいい感じでした。
小学生の女の子が、お母さんに膝枕をしてもらいながら能を見ていたり、
足を前に投げ出してリラックスして座っている人の姿を見ると、
昔の能ってこんな感じだったのかな?なんて想像してしまって
能が身近に感じられる気がしました。
でも次回は、椅子に座れるところで見たいかも(笑)
Commented by amethyst at 2009-08-30 06:58 x
私も薪能を以前日比谷で観にいったことがありました。
一時期能にすごく憧れてはまっていたときがあったのです。
といっても見に行ったのは一度だけ。後はTV。(*_*)
歌舞伎だと解説イヤホンがあるから
わかりやすいけど能はないのでしょうか?
でも体験できてよかったですね。

いつか着物で能楽堂にいくのもいいな。
Medalogさんがお近くならね~
Commented by Medalog at 2009-08-30 16:28
amethystさんへ
日比谷というと日比谷公園でしょうか?素敵なロケーションですね。
解説イヤホンがあれば助かりそう…。能楽堂などではあるのかな?

ほんと、近くに住んでいれば、行きたいところがいろいろありますね。
次に会える日を楽しみに…(いつになるでしょうか)
by Medalog | 2009-08-28 11:26 | 生活 | Comments(6)

大阪在住主婦の、のんびりメダカ飼育と着物を楽しむ日記です      


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